WRC2020/04/02

イベント延期・中止はFIA会長裁量で決定可能に

(c)FIA

 ワールドモータースポーツカウンシル(WMSC)は、世界的なCOVID-19パンデミックによって現在提起されている課題により迅速に対応できるように、レギュレーションに対するいくつかの重要な変更を電子投票で承認した。そのなかには、世界ラリー選手権を含む多くのFIA選手権のカレンダー延期・変更にともなう決定について、これまではWMSCの承認が必要だったものについて、あまりにも多くのイベントがこうした要望をすることから、2020年シーズンのFIAイベントの組織に関連する決定を行う権限についてFIA会長に委任することを承認した。

 FIAはこの数週間、FIAチャンピオンシップとFIAカップに含まれる競技会を含め、FIA国際スポーツカレンダーに登録されている多くの競技会の延期・中止の要求に直面している。

 FIAがFIA規約に従って遅滞することなくこれらの要求に対処できるようにするために、世界モータースポーツ会議は、FIA規約の第16.4条および16.10条に従って、FIAの会長に緊急の問題として必要となる可能性がある2020年シーズンの国際大会の組織に関連する決定を行う権限の委任を許可した。

 FIAの会長による決定は、スポーツ担当副会長、スポーツ事務局長、および該当する場合は関連するスポーツ委員会の会長との協議後に行われる。

 また、より広いモータースポーツ界に関連するこれらの変更に加えて、WMSCは特定の選手権の規制に対する多くの変更も承認した。そのなかには2022年からWRCのトップカテゴリーとなるRally1に供給されるハイブリッド・システムについて、2022-2024年までドイツのコンパクト・ダイナミクスが独占供給を行うことが決まったほか、Rally1に搭載されるエンジンについても現行のWRカーに搭載されるグローバルレースエンジン(GRE)が搭載されることが承認されている。

* FIA規約の第16.4条および16.10条:
16.4条 総会または上院によって指定されていないスポーツ分野においてFIA経営陣が必要とする決定を行うこと。
16.10条 国際スポーツカレンダーの承認について。