RallyCross2020/08/24

エクストロームが世界RX第2戦で劇的な勝利

(c)FIAWorldRallycross.com

(c)FIAWorldRallycross.com

(c)FIAWorldRallycross.com

 史上初のダブルヘッダーとしてスウェーデンのヘリエスで開催されたFIA世界ラリークロス選手権のオープニングラウンドは、前日の第1戦に続いて23日に第2戦が行われ、KYBチームJCのマティアス・エクストローム(アウディS1)が劇的な勝利を収めた。

 第2戦のファイナルレースは、土曜日に行われた第1戦で優勝を飾ったヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロ)がポールポジションからスタート、フロントローから好スタートを切ったロビン・ラーソン(アウディS1)を押し切る形で1コーナーを制してレースの主導権を握ることになった。

 ヘリエスでのファイナルを2列目のグリッドからスタートしたエクストロームは、トップ2台に続いて1コーナーを立ち上がったところですぐさまジョーカーを選択して後方から追撃を開始、2周目に入るところでアンドレアス・バッケルド(ルノー・メガーヌ)を抜いて2位へ浮上、さらに2位につけていたチームメイトのラーソンとともに3位につけていたミュニッヒ・モータースポーツのティモ・シャイダー(セアト・イビーザ)がジョーカーラップを選択、2台がジョーカーセクションのグラベルの深いわだちでタイムを失う間にエクストロームは一気に2位へと浮上することになった。

 エクストロームはその後、トップを快走するクリストファーソンを追撃、2秒差まで迫って最終ラップを迎えることになり、ここでジョーカーを選んだクリストファーソンはコースに戻るもわずかの差でエクストロームに首位を譲ることになる。

 クリストファーソンは、首位に立ったエクストロームに対して猛攻をしかけ、二人の攻防は最終コーナーまで続くことになったが、エクストロームが逃げ切って通算11勝目を飾ることになった。

 クリストファーソンはコース上では2位でフィニッシュしたが、ジョーカーセクションで2本のコースマーカーに接触していたことからの5秒のペナルティを受けて3位となった。これでチーム・ハンセンのケビン・ハンセン(プジョー208)が2位でフィニッシュし、スウェーデン出身ドライバーが表彰台を占めた。シャイダーは4位、ラーソンはパンクを喫して5位、バッケルドはトラブルで遅れて6位となった。

「ここに来れてすぐに競争力を発揮できて、素晴らしい週末となった。ファイナルでは最高の走りができた」とエクストロームは語った。

「クリストファーソンとの差を無線で聞いていたので、どれだけプッシュすればいいのか分かっていたし、本当に必要なラップをなんとか手にすることができた。前に出ることができたときは最高の気分だった。KYBがEKSと共にクルマのダンパーを開発してくれたことに本当に感謝している。そして今、JCレーステクニックがこの勝利を喜べることがうれしい。優勝できたこと、そしてヨハンと正々堂々渡り合えたことは、特別な気分だ」

 クリストファーソンは3位を獲得したことで、世界RXドライバーズチャンピオンシップのリードを維持した。「終日、素晴らしい一日だった。ロビンはファイナルで非常に良いスタートを切った。序盤は彼に少し食らいついたが、そこからは自分に集中してラップタイムを上げようとした。マティアスも同様だった。無線ではとても接戦だと聞いていた。ジョーカーでは全力を尽くしたあまりにペナルティを受けてしまったが、とにかくチャンピオンシップをリードしているし、素晴らしい週末を過ごすことができた。次のコウヴォラを楽しみにしている」とクリストファーソンは語った。

 アメリカ出身のケン・ブロックは、新設されたProjektEカテゴリーの国際的な電動ラリークロスのイベントで優勝した最初のドライバーとして歴史に名を刻んだ。ブロックはフォード・フィエスタERXを駆り、TQ(予選トップ)ポジションを獲得してファイナルのポールポジションを確保し、終始レースをリードした。イギリスのナタリー・バラットが2位、オーストリアのヘルマン・ノイバウアーが3位となった。

 FIA世界ラリークロス選手権の第3ラウンドと第4ラウンドは、来週末(8月29日〜30日)にフィンランドのコウヴォラで開催される。