トヨタGAZOOレーシングWRTは、ラリー・スウェーデンにむけたテストをキャンセルしたとの情報を覆して、先週の土曜日に急遽、セバスチャン・オジエがヤリスWRCのステアリングを握る機会を用意することになった。
ラリー・スウェーデンは暖冬による雪不足のために開催が危ぶまれ、主催者はFIAの査察によって先週やっとルートを大幅に短縮して開催するという決定を行っている。この判断を待つために各チームともテストのスケジュールを1週間遅らせていた。トヨタもまた、先週の火曜日からふたたびフィンランドにおいてスウェーデンにむけた直前のテストを行い、セバスチャン・オジエ、エルフィン・エヴァンス、カッレ・ロヴァンペラがステアリングを握る計画だと見られてきたが、このテストは行われず、テストはキャンセルされたものと考えられてきた。
トヨタの3人のドライバー全員はすでに昨年の12月末にフィンランドにおいてスウェーデンのための最初のテストを行っているが、そのチャンスがなかった勝田貴元とヤリ-マティ・ラトバラがそれぞれ金曜日と土曜日にテストをする計画だと伝えられていた。しかし、二人は金曜日を半日ずつシェアする形でステアリングを握り、土曜日はオジエのテストへと割り当てられることになったようだ。
フィンランドでのテストは、路面を雪が覆っているコンディションで行われており、おそらくスウェーデンの本番とはかなり異なっていると考えられているが、それでも前日に同じ場所でテストを行ったラトバラは、短い時間ではあったがグラベルが露出したセクションがあったためスウェーデンに向けた準備ができたと証言しており、フルに1日を走り込んだオジエはニューマシンへの自信を深め、さらにスタッドタイヤのマネージメントについても確認する十分な時間があったと考えられている。
オジエは過去、スウェーデンで3勝を飾っており、もちろんラテン系ドライバーとしては史上最多となる。彼は2014年以来、これまで6年連続してスウェーデンを1番手で走行してきたが、今年はそのハンデからも逃れることができるだけに4勝目のチャンスは十分にあるだろう。
「スウェーデンはとても好きなラリーだ。過去に何度か良い結果を残してきたので、もちろん今年も良い走りをしたいと思っているが、ここ数年はやや苦戦してきた」と、オジエはこのテスト前に発表されたトヨタのプレスリリースのなかで語っている。
「その原因のひとつとして、出走順の影響がある。選手権リーダーとして、トップで出走するのはとても大変だったからね。しかし、今年は少し状況が変わるので、どうなるのか様子を見たい。トヨタの戦闘力も高いはずなので、良い結果が得られることを期待している」
また、オジエに続いて日曜日にはエヴァンスがヤリスのステアリングを握ってテストを行っており、ロヴァンペラの直前のテストの機会はなかったが、彼は1月にラップランドの豊富に積もった雪のなかで行われたアークティック・ラップランド・ラリーを走って準備を行っている。