WRC2019/06/21

オジエ、僕はライバルの不幸を喜ぶ人間ではない

(c)Citroen

 セバスチャン・オジエは、ラリー・イタリア・サルディニアでオイット・タナクがトラブルによって優勝を逃したため、ドライバー選手権では悲惨なほどのリードを許す事態を免れることになったが、彼はけっしてライバルの不幸を喜んではいない。

 オジエは金曜日の朝にまさかとも思える状況でクラッシュしてしまい、ポイント圏内でのフィニッシュを完全に諦めざるを得ない状況に追い込まれることになった。選手権を2ポイント差の2位で追い掛けていたタナクは大きなマージンをもってラリーをリードしており、このままフィニッシュすれば大差で選手権リーダーを奪われるはずだった。

 しかし、最終ステージで発生したステアリングのトラブルでタナクは5位に沈むことになり、パワーステージで4ポイントをもぎとったオジエは4ポイント差で選手権2位につけることになった。オジエはもっと悲惨な状況になることを覚悟していたと語った。

「本当に思い通りにいかない週末もある。今回がまさにそうだった。あまりにも多くのミスをしてしまった」とオジエは語った。

「金曜日を一番手で走行して現実的に狙えたのは5位あたりだったが、精一杯走ったにもかかわらず、僕らのタイムは予想以上によくなかった。そして、それらの努力もすべて無駄になってしまった。あれほど愚かなミスはない。僕はあそこに岩があることを知っていたが、簡単に言えば見てなかった。左側の盛られた土の斜面を回りこみ、道路の流れに沿って、そこでアクセルオンをしてしまったのは完全なミスだった」

 タナクにトラブルがかければ、オジエはドライバーズ選手権でも20ポイント以上確実に引き離される状況にあったにもかかわらず、波乱のドラマが終わってみればタナクからわずか4ポイント差にとどまることになった。しかし、オジエはこの結果をうれしく思っていない。

「僕はライバルの不幸を喜ぶような人間ではないからね。とくにそれがオイットならなおさらだ」とオジエは語った。

「大きなミスによって僕らがポイントを獲得できる期待はかなり低かったし、残された唯一のチャンスはパワーステージだった。これ以上ないほどのぎりぎりの走りによって僕らは4ポイントを挙げることに成功しただけに、結果としてはよかったこととも言えるが、オイットが直面した不運を考えると、僕の喜びはやや小さいものだ。率直に言って、僕は彼が素晴らしいパフォーマンスをし、そして彼が勝者にふさわしいと思っているので、けっしてハッピーな結果ではない」

「もちろん、それもこれもラリーだ。今回のことは忘れて、これからに目を向ける。選手権は大接戦だ。いまは充電するためにのんびりと休みをすごし、そして僕らは戦いを再開する準備が出来たあとフィンランドでもっといいラリーをすることを約束する」