WORLDWIDE2019/12/14

オペルEVラリーカー、コルサ-eがテスト開始

(c)Opel

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 オペルのEVラリーカーであるコルサ-e・ラリーの最初の走行テストがドイツで始まった。

 オペルは、若手登竜門となってきたADACオペル・ラリーカップを2020年から市販電気自動車のコルサ-eによるADACオペル・e-ラリーカップとして新たに開催することにしており、11月29日から12月8日まで行われたドイツのエッセンモーターショーでオペル・コルサ-e・ラリーを初公開していた。

 オペル・コルサ-e・ラリーはこれまでドゥーデンホーフェン・テストセンターで耐久テストなどの開発プログラムを継続してきたが、いよいよ走行テストが始まることになる。

「我々の目標は信頼性が高く、交換が容易で強力なラリーカーをADACオペル・e-ラリーカップに出場するクライアントチームに提供することだ」とオペル・モータースポーツのディレクター、ヨルク・シュロットは次のように語った。

「2台の異なる目的をもったテストカーを用意したのはできるだけ多くの走行距離を走らせ、最初にできるだけ多くのデータを収集するためだ。100%電気のラリーカーの先例はないためデータと経験を蓄積することが重要だ」

「プロジェクトの初期段階では計算とシミュレーションに頼らなければならなかったが、これらは徐々に実際のデータに置き換えられています。負荷、バッテリー温度管理、ソフトウェアとの適応にも特に注意が払われており、最初のテストではこのプログラムが順調に進んでいることが確認できた」

 この新しいADACオペル・e-ラリーカップは2020年から2021年にかけて9戦のプログラムが計画され、来年8月に行われるADACザールランド・プファルツ・ラリーが初戦となる。オペルによればそれまでに20台のコルサ-e・ラリーを製作し、そのうち15台がこのシリーズに出場するカスタマーに販売される計画だという。

「すべての条件下でパフォーマンスが一定であり、運転しやすいことが重要となる。コンポーネンツは、すべての参加者に平等な機会を保証するものでなければならない」

「コルサ-e・ラリーは、ガソリンエンジンの前モデルであるアダムR2に匹敵するパフォーマンスをもつだろう。100kW (136hp) という出力はほぼ同じだが、260Nmのトルクはアダムよりもはるかに高く、床下に取り付けられたバッテリーのおかげで、重心は低く、重量配分も非常に良好となる。バランスのとれたシャーシのセットアップを見つける必要があるため、1月からは実際のラリーステージでシミュレーションを開始する」