ERC2019/09/30

ガラタリオティスが違反でキプロス2位を剥奪

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 キプロス・ラリーは最後までドラマが続き、2位でフィニッシュしたサイモス・ガラタリオティスが最終ステージのあとに行われたフィニッシュセレモニー終了後にすべての車をパークフェルメに集めることを要求するパルクフェルメのルールを順守しなかったため失格処分となる波乱の幕切れとなった。これで選手権リーダーのクリス・イングラムが繰り上がって2位、ミッコ・ヒルボネンも3位のポディウムを飾ることになった。

 また、イングラムはクラウドファンドによってキプロスの参戦資金を集め、見事に支援者の期待に応えて選手権のリードを19ポイントに拡大したが、ロードセクションにおける複数の交通違反が発覚、猶予付きのポイント剥奪処分が課されることになった。イングラムは次戦のラリー・ハンガリーで同じ問題が発覚した場合にはキプロスはノーポイントとされることになる。

 スチュワードによれば、昨年のキプロス勝者であるガラタリティスは最終ステージをゴール後に行われたフィニッシュセレモニーの後、パークフェルメにマシンで保管しなければいけないルールを守らず、ニコシアまでのロードセクションをマシンがローダーに積載されて移動していることが目撃されていた。チームとドライバーに聴き取り調査を行った結果、マシンをパルクフェルメに保管させることなく、サービスクルーが勘違いして車両をローダーに積載してニコシアのサービスに向けて出発してしまったという。

 スチュワードは基本的なレギュレーションにもかかわらずに重大な違反だとして一度ポディウムに立ったガラタリオティスの2位を剥奪、失格処分を課している。

 いっぽう、ガラタリオティスの失格によってイングラムは2位に繰り上がることになり、選手権におけるリードをさらに拡大することに成功したものの、スピード違反ではなくそのほかの複数の交通違反があったことが報告され、罰金500ユーロと2日間の奉仕活動の処分を課すとともに猶予付きのポイント剥奪処分となった。イングラムは間違った行為があったことを認め、マシンに小さな問題があったためにサービスへと向かうことに気が削がれていたと説明している。

 暫定ではあるものの、イングラムがポイントのリードを拡大、ポーランドのウーカシュ・ハバイが19ポイント差の選手権の2位に浮上することになった。また、最終日にリタイアしたアレクセイ・ルクヤヌクはノーポイントに終わりイングラムに28ポイント差をつけられることになり、王座防衛は厳しい状況となっている。