RallyCross2020/08/30

クリストファーソンが世界RX第3戦で優勝

(c)FIAWorldRallycross.com

(c)FIAWorldRallycross.com

 世界ラリークロス選手権第3戦が8月29日にフィンランドのコウヴォラで開催され、選手権リーダーのヨハン・クリストファーソン(フォルクスワーゲン・ポロGTI)が優勝、これが世界RXデビュー戦となるフィンランド王者のユハ・リトコネン(ヒュンダイi20)が衝撃の速さをみせて2位に食い込んだ。

 コウヴォラ・サーキットでの世界ラリークロス選手権の開催は2014年以来初となり、1週間前にスウェーデンで開催された第1戦、第2戦と同様に今週末もふたたびダブルヘッダーで行われる。

 開幕戦勝者のクリストファーソンは土曜日に行われた第3戦で、Q1、Q2、Q3のすべての予選においてトップタイムをマーク、セミファイナル1を制して順当にポールポジションを獲得することになった。

 クリストファーソンの最大のライバルになると見られていた第2戦勝者のマティアス・エクストローム(アウディS1)は今回も好調な走りをキープ、予選2位につけたものの、セミファイナル2に思わぬ波乱が待っていた。

 スウェーデンのみの参戦予定だったエクストロームは今回、急遽、フィンランドにもKYBチームJCから参戦、セミファイナル2をポールポジションからスタートしたものの、メカニカル・トラブルでストップしてしまう。これでGRXチームのマーカス・グロンホルム代表に抜擢されて今回世界RXで初めてステアリングを握ったリトコネンがセミファイナル2を制して、ファイナルをフロントローでスタートするチャンスを手にすることになった。

 そして迎えたファイナルでは、クリストファーソンがポールポジションから最高のスタートを切り、リトコネンがそれに続き、第1コーナーでニクラス・グロンホルム(ヒュンダイi20)の前にうまく立ちはだかったティミー・ハンセン(プジョー208)が3番手へと浮上する。

 クリストファーソンは起伏に富んだコウヴォラのコースを快走、2周目を終えた時点で早くも2位につけるリトコネンに1.4秒差をつけて独走態勢を築くことに成功、そのまま一度も首位を譲ることなく勝利を飾ることになった。

 いっぽう、2位につけていたリトコネンは後方から迫るワールドチャンピオンのティミー・ハンセンのプレッシャーを嫌ったかのように3周目にジョーカーを選択する。リトコネンはグロンホルムを押さえて3番手でコースに戻るや、ティミー・ハンセンを上回るハイペースで猛追を開始、みるみるティミー・ハンセンのマシンに迫ってみせる。

 ティミー・ハンセンは最終ラップでジョーカーを選んだものの、2番手をキープできず、リトコネンが新しいヒュンダイi20のステアリングをわずか1日だけテストしただけで臨んだデビュー戦にもかかわらず、見事2位でフィニッシュすることになった。

 ハンセンはトップ2台のペースには届かなかったが、地元戦で表彰台に燃えるグロンホルムを押さえきって3位でフィニッシュ。4位にはグロンホルム、5位には3戦連続ファイナル出場のティモ・シャイダー(セアト・イビーサ)、6位にはケヴィン・ハンセン(プジョー208)が続いている。

 キャリア22勝目の勝利を飾ったクリストファーソンは次のようにコメントしている。

「決勝はこの日1日そうだったようにとても良いスタートができた。チームのみんなに感謝している。かなりトリッキーだったけど、プラクティス、Q1、Q2、Q3、セミファイナル、決勝のすべてのレースで勝てたことはとても気分がいいよ」とクリストファーソンは語った。

 また、二人のワールドチャンピオンに挟まれるように2位での初表彰台に立ったリトコネンはこの結果をまったく予想していなかったと述べるとともに、無線の指示が良かったと戦いをふり返った。

「本当に嬉しいよ。チームはとても素晴らしかった。こんなことになるとは全く予想していなかった。トピ(トーマス・ヘイキネン)がラジオで情報を教えてくれたので、彼のおかげで助かった」とリトコネンは語っている。

 第3戦を終えて、ドライバーズランキングでは、クリストファーソンが16ポイント差にリードを広げており、ファイナルに進出できなかったものの、エクストロームが2位をキープしている。ティミー・ハンセンとケヴィン・ハンセンが並んでランキング3位へと浮上している。

 世界RX第4戦は日曜日に同じコウヴォラ・サーキットで開催される。