ERC2019/07/20

グリアジン、ERCローマで予選トップタイム

(c)ACI Sport

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 ヨーロッパ・ラリー選手権第5戦のラリー・ディ・ローマ・カピターレの予選ステージが19日金曜日に行われ、スポーツ・レーシング・テクノロジーズ(SRT)チームのニコライ・グリアジン(シュコダ・ファビアR5)が地元イタリアのトップドライバーたちを押さえてトップタイムをマークした。

 昨年のERCジュニア・アンダー28チャンピオンに輝いた褒賞としてERCラウンド2戦へ出場する予算が贈られたグリアジンは、ターマックでの経験を積むためにこのローマとともに来月行われる次戦のバルム・チェコ・ラリーへの出場を選んでいる。

 ローマ東部の4.02kmのフモーネ・ステージで行われた予選セッションで、グリアジンは2度のプラクティスをともにトップタイムを叩き出したあと、3回目の走行として行われた予選では、2番手タイムで続いたイタリア・ターマックチャンピオンのアンドレア・クルニョーラ(シュコダ・ファビアR5)に0.193秒差をつけて2分11.1秒の一番時計を叩き出した。

 グリアジンはこのあと行われるスタートオーダーセレクションで明日のスタート順を最初に選ぶ権利を手にした。

「プッシュしたわけではない。むしろゆっくりと走ったんだ。なぜなら一番最初にスタートポジションを選びたくなかったからね。どのポジションが良いか難しい選択になる。時には速いイタリア人ドライバーに最初にポジションを選ぶ機会を与えるほうがよかったんだけどね」とグリアジンは語っている。

 グリアジンは昨年もローマの予選ではトップタイムを叩きだし、スタート順の選択を迷った挙げ句、4番手のポジションを選んでいるが、この選択は裏目に出ている。彼はSS4で前走車にかき出されたダートにのってオフ、ステアリングをヒットしたために総合20位に終わっている。

 ラリー・ディ・ローマ・カピターレは、昨年同様にERCだけではなく、イタリア選手権のラウンドも併催されており、予選の上位も地元のドライバーが占めることになった。2番手のクルニョーラから0.534秒遅れの3番手につけるFPFスポルトのルカ・ロセッティ(シトロエンC3 R5)は過去3度ERCでチャンピオンを獲得、今季のイタリア選手権では2位につけており、2008年以来となるタイトルに野心をみせている。

 4番手で続いたのは、現在のERC選手権リーダーであり、グリアジンのSRTチームにおけるチームメイトであるウーカシュ・ハバイ(シュコダ・ファビアR5)、昨年、オーストリア・チャンピオンのニコラウス・マイヤー-メインホフ(フォード・フィエスタR5)が侮れない速さをみせて5番手で続いている。

 6番手にはイタリア選手権をリードするローランsrlのジャンドメニコ・バッソ(シュコダ・ファビアR5)が続き、先週のラリー・ボヘミアでマシンをクラッシュしたフィリップ・マレシュ(シュコダ・ファビアR5)も無事に修理を終えて7番手タイムで続いている。

 ERC挑戦3戦目を迎えるチームSTARDの新井大輝(シトロエンC3 R5)は、ターボの過給圧を失う問題があったようだが、2.3秒遅れの10番手タイムで続いている。

 また、新井と同じサンテロック・レーシングがプリペアするC3 R5を駆るアレクセイ・ルクヤヌクはスピンのために12番手タイムに終わっている。

 また、ERCデビュー戦となる新しいフォード・フィエスタR5 Mk2を駆ったオレンジ1/Mスポーツ・ラリーチームのウンベルト・スカンドラは、エンジンパワーを失う問題に見舞われて2分14.297秒の13番手タイムと出遅れている。

 さらに彼のマシンは予選後のパルクフェルメでの車重チェックで規定より2kg軽いことが発覚しており、ペナルティタイム5秒を加算されて17番手タイムと降格、期待のニューマシンのERC初戦は波乱の始まりとなっている。

 予選とシェイクダウンを終えたクルーたちは、いつものように「すべての道はローマに通ず」という故事に倣ってローマへと移動、金曜日の夕方にサン・ピエトロ寺院に近いサンタンジェロ城でのセレモニアルスタートとローマ市街地の歴史を巡るシティパレードランが行われる。昨年のような市街地でのスペクタクルなナイトステージは行われず、今年は土曜日の朝に行われる19.46kmのピコ-グレーチのステージで二日間にわたるラリー・ディ・ローマ・カピターレの戦いが始まることになる。