WRC2021/10/23

ジュニアWRC、フィエスタRally3で来季も継続へ

(c)M-Sport

 FIAジュニアWRC選手権は、2022年以降もMスポーツ・ポーランドが製作したフィエスタRally3を使用して継続する。これにより、これまで2輪駆動マシンによって行われてきたステップアップカテゴリーは、2024年までの3年間にわたってコストパフォーマンスに優れた新しい4輪駆動マシン、フィエスタRally3のワンメイクによる選手権として行われ、チャンピオンにはこれまでと同様の魅力的な賞金パッケージが贈られるとともにイベント前のテストの機会が追加される。

 2001年にWRCアカデミー・カップとして創設されたジュニアWRCは、2022年にフィエスタRally3を使用することによって、才能ある若手を発掘してステップアップのチャンスを与えてきたこの選手権にとって最大のステップを迎えることになる。

 2022年からジュニアWRCは、これまでよりもはるかに低コストの4輪駆動マシンで世界レベルのラリーに出場する最初の機会を提供することになり、世界へのアプローチという意味でより重要な選手権になる。Mスポーツ・ポーランドがこれまでと同様にマシンのプリペアを含めた「アライブ・アンド・ドライブ」方式の選手権運営を行い、エントラントは現地にドライブのために行けばいいという参戦スタイルが継続される。全5戦のチャンピオンシップの総費用は、199,999ユーロ(およそ2,640万円、税別)となる。

 ジュニアWRCの賞金パッケージも2022年からアップデートされ、ジュニアWRCチャンピオンがRally2マシンで貴重なイベント走行距離やテスト経験を積むことができるようになっている。ジュニアWRCチャンピオンは、ヨーロッパのWRC 4戦にアライブ・アンド・ドライブ方式で出場できることになり、各イベントの前に行われる月曜日のテストが賞金に含まれる。また、ジュニアWRCチャンピオンが追加予算を払うことができる場合は、FIAが合意して設定されるコスト上限付きのオプションとして、月曜日のテストを含む2つの追加ラウンドが用意されるという。

「これは、ジュニアWRCの歴史の中で、最大かつ最もエキサイティングな変化となり、FIAラリーカー・ピラミッドとMスポーツの『ラダー・オブ・オポチュニティ(機会の梯子)』のおかげで、世界選手権レベルに4輪駆動マシンで手頃な価格で参戦できるという素晴らしい環境になる」と、FIAジュニアWRC選手権マネージャーのマチエイ・ヴォーダは語った。

「これは、トップレベルのラリーが高性能化したため、近年のジュニアWRCに欠けていた重要な要素であり、ジュニアWRCを国際ラリーの最高のエントリーレベルの選手権にするための完璧なアプローチとなる。我々は、ジュニアWRCチャンピオンが世界ラリー選手権で活躍できるように、ここ2、3年で賞金パッケージを開発してきた。賞金パッケージでは、テストやイベントが保証されているので、総合優勝したクルーは安心して、出場する各ラウンドに集中することができるようになる」

 Mスポーツのマネージング・ディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは次のように述べている。

「ジュニアWRC選手権は、Mスポーツのラリー活動において非常に重要な役割を果たしており、今回の進展は、世界の舞台で若い才能を育成するという我々のコミットメントを明確にするものだ。我々は、新型フィエスタRally3への注目度を高めようとしてきたが、ジュニアWRC選手権こそ、このマシンが真に輝く場所だと考えており、ここでWRCイベントの仕組みを学び、理解しながら、WRCステージの走行知識を身につけることができる」

「最も重要なことは、4輪駆動マシンで路面に関する知識を身につけることができるということだ。これは将来のラリーキャリアに大いに役立ち、Rally2カーへの移行をよりスムーズに行うことができる。ジュニアWRC選手権は、WRCへの出場を目指す若いドライバーにとって素晴らしい機会であり、国内レベルの2輪駆動選手権からの次のステップとして最適の選手権になる」