Raid2019/10/11

トヨタ、ダカール参戦体制を24日にスペインで発表

(c)Toyota

(c)Toyota

(c)Toyota

 トヨタGAZOOレーシングは、2020年ダカール・ラリー参戦体制に関する記者会見を24日にラリー・デ・エスパーニャが開催されているスペイン・タラゴナのポートアベンチュラ・コンベンション・センターで行う予定であることを発表、地元スペイン出身で元F1ドライバーであるフェルナンド・アロンソがこのメンバーのなかに含まれるかどうか注目されている。

 ダカール・ラリー2020の前哨戦とも言える、ラリー・モロッコが10月3-9日にかけて行われ、トヨタGAZOOレーシングSA(サウス・アフリカ)のジニール・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ(トヨタ・ハイラックス)が優勝を飾った。ド・ヴィリエは、5日間にわたり様々な路面で戦われた過酷なラリーレイドを戦い抜き、最終ステージ直前で首位に立つと、競技の最終セクションでもトップタイムをマークし、見事、総合優勝を勝ち取った。

 しかし、ダカール・ラリーのディフェンディングウィナーであるナッサー・アル-アッティーヤ/マシュー・ボーメル(トヨタ・ハイラックス)にとっては残念な結果となった。ラリー4日目に車両下部が岩に当たった影響でクランク角センサーを破損し、これによりエンジン・マネジメント・システムが作動しなくなったため、17分以上の大差でリードしていたラリーから、リタイアを余儀なくされている。

 また、今回が国際ラリーレイド戦の初陣となったフェルナンド・アロンソとマルク・コマ(トヨタ・ハイラックス)は、5日間の期間中、着実にラリーを走り抜き、ダカール・ラリー2020へ向け、多くの走行トレーニングの経験を積んでいる。アロンソとコマの二人は、先月南アフリカ・クロスカントリーシリーズの1戦に出場したが、このラリー・モロッコは、世界最速レベルのラリーレイドドライバーと競う初の機会となった。

 アロンソはラリー序盤から様々な課題やアクシデントを経験することになった。初日は15番手スタートだったため、前走車の巻き上げた砂埃の中を走らねばならず、204kmのステージ1では岩場で3度のパンクを喫し、他のトヨタ車両からのサポートを待つために40分間待機することになり21位と出遅れることになった。

 それでも。アロンソは、サハラ砂漠の縁に位置するメルズーガ砂丘で争われた2日目、岩場と砂丘が混在する386kmのステージで見事な走りを見せ総合10位へとポジションアップする。

 3日目の363kmのステージは、アロンソはロードブックに記載されていなかった轍にはまってサスペンションを破損。ラリーを継続するために、ビバークへ戻っての夜を徹した修復を強いられ、これにより大きなペナルティを科されることになってしまい、311kmで争われた4日目もさらなるパンクによってタイムをロスすることになった。

 9日の最終日はエルフォードからフェズへの168kmで、アトラス山脈を越える岩場とワインディングロードが舞台となった。ド・ヴィリエが首位に立ち、アロンソもこの日8番手のステージタイムを記録、総合26位でラリーを完走を果たしている。

 アロンソは、厳しいラリーで多くの経験をして完走を果たしたことに満足していると語った。

「間違いなくモロッコで多くの貴重な経験を得た。僕自身にとって初の国際ラリーレイド参戦に向けて、走行テストなどで忙しい2週間を過ごし、そのままシリーズで最も手強いラリーに臨んだ。完走を果たせて本当に嬉しいし、チーム、クルマ、スタッフ、全てにとっていかに厳しいラリーであったかを目の当たりにしたよ」

「僕らのパフォーマンスには浮き沈みがあったが、ハイラックスと共にそのポテンシャルは示せたと思う。重要なのは、ラリーの間に直面した全ての困難が僕にとっての良い学習機会になったということだ」

 チーム代表のグリン・ホールは、アロンソにとってモロッコが試練になったことを認めつつも、格段に高い経験値を積んだと語っている。

「フェルナンド(・アロンソ)には、ダカールに向けて短期間での成長を強いる計画だったが、もう少し時間があれば、ラリー・モロッコのような厳しいラリーの前に、もう数戦南アフリカのローカルレースで経験を積むことも出来ただろう。今回のコースはそれほどまでに極めて難易度が高かった。彼はここでとても貴重な経験をしたと思う。まだ実感できていないかも知れないが、ダカール参戦発表が迫る中で、ここモロッコで得た数多くの経験によって、彼の対応力が格段に高くなったはずだ」