WRC2021/05/23

ヌーヴィル、この週末2度目のリタイアへ

(c)wrc.com/WRC Promoter

 
 ヒュンダイ・モータースポーツは、ラリー・デ・ポルトガルの土曜日のデイサービスにおいてシャシーに問題があるティエリー・ヌーヴィルをリタイアさせることを発表した。いまのところヌーヴィルが明日の最終日にリスタートできるかはっきりしていないが、チームは今日の午後を修理作業のためにフルに利用して次戦のラリー・イタリア・サルディニアに完全になって戻ることを最優先にするとしている。

 ヌーヴィルは金曜日の最後のロングステージのモルタグアでペースノートの問題からオーバースピードで崖に激しくクラッシュしてしまい、彼とコドライバーのマルティン・ウィダーゲはタイヤが斜めを向いたマシンの修理を試みたが、ダメージが大きいことからリタイアとなっていた。

 ヌーヴィルは土曜日にリスタート、一番手という走行順に加え、最終日のパワーステージのためにハードタイヤ5本をチョイスしていたためタイムは大きく遅れることになったが、それ以上に技術的な問題が彼を悩ませていたことが判明する。
 
 ヌーヴィルはSS11アマランテの手前でマシンをストップ、彼は16分遅れでチームメイトのダニエル・ソルドの直前にアマランテのTCにチェックインしたため、戦略を疑われることになる。これでカッレ・ロヴァンペラ、セバスチャン・オジエ、勝田貴元は本来の走行ポジションより1つずつ早い走行順で走ることになるため、わずかに路面掃除を行うことになる。

 ステージエンドで戦略かどうかを聞かれたヌーヴィルは、それは噂にすぎないと語っていた。

「いや、僕はマシンを修理することに集中していた。チームのみんな一晩中がんばってくれたが、わずかにマシンに問題があったからね。でも、できることはやったけれど、残念ながら解決することはできなかった。今はサービスに戻って、チームにきちんとチェックしてもらわなければならない」

 だが、チームはこの最悪の状況をある程度覚悟してヌーヴィルをこの日、送り出していたようだ。チーム代表のアンドレア・アダモはヌーヴィルのマシンには金曜日のクラッシュのダメージが大きく残っていると説明、次戦のラリー・イタリア・サルディニアへの準備を優先するためにもここではリタイアして、サービスで修理を行う判断をしたと語っている。

「昨日はスーパーラリーで許される限りの作業を行い、今朝は少しだけ作業を終えた。マシンの状態が目に見えて悪かったので、できる限りのことをしたが、基本的に、ここと2週間後のサルディニアはつながっている。

「ボディの一部が落下しているような酷いダメージに見えるだけのアクシデントもあれば、簡単に修理できると思っていたらシャシーが曲がっていたということもある。悲しいことに、これは最初のケースではなく、2番目のケースだった」

「サルディニアまで数日しかないし、COVIDのルールも忘れてはならないからね。アルゼナウに戻るためには検疫を受けなければならず、仕事にも行けないので、時間がいくらあっても足りないことになる。泣いているわけではなく、現実的に考えて、やらなければならないことがあるだけだ。(リタイアすれば)もっと作業ができるのだから、今日の午後を無駄にするのは馬鹿げている」