WORLDWIDE2021/01/18

ハンニネン、ラップランド・ラリーで優勝

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 1月14日から16日までフィンランドで開催されたアークティック・ラップランド・ラリーは、世界ラリー選手権初の北極圏への旅に向けたウォームアップイベントとして開催され、トヨタ・ヤリスWRCで出場したユホ・ハンニネンが優勝を飾っている。

 フルスノーと気温−18度という素晴らしいウインターコンディションとなったアークティック・ラップランド・ラリーには、世界ラリー選手権に出場するマニュファチャラーのなかでトヨタのみがマシンを投入した。10SS/225kmというロングディスタンスのイベントは3つのショートステージがキャンセルとなったが、2月末にWRC初開催されるアークティック・ラリー・フィンランドと同じくロヴァニエミで開催されるため、本番とほぼ同一のコンディションのなかでチームのテストドライバーであるハンニネンは、ピレリの新しいスタッド付きウィンターラリータイヤや実戦に投入予定の新しいパーツを十分な距離を走ってチェックすることになった。

 ハンニネンは、金曜日のオープニングステージで後続に9.5秒差をつけてラリーをリード、2日間に行われた8ステージのうち7ステージでベストタイムを奪い、2017年のフィンランドチャンピオンであるテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)に2分29秒という大差をつけて優勝を飾ることになった。

 ライバルのほとんどがフィンランド選手権を争うRally2マシンという状況のなかでのラリーとなったが、ハンニネンは目的は優勝することではなく、本番に向けてチームメイトたちが今後行うことになるプレイベントテストのサポートを行う計画だったと語っている。

「良いテストになったよ。僕の仕事は終わったよ」とハンニネンはステージエンドで語った。

「僕は今回、新しいタイヤとそしていくつかの新しいパーツをテストした。他のドライバーたちがアークティック・ラリー・フィンランドの前に、テストを開始するのが簡単になるだろう」

 ヒュンダイ・ジュニアドライバーとして新シーズンを迎える19歳のオリヴァー・ソルベルグは、ヒュンダイi20 R5での初戦で速さをみせることになった。

 雪の多い北欧では標準的なナロートレットのウインタータイヤを装着するライバルに対して、ソルベルグは2月末に行われるフィンランド第二のWRCに備えてWRC専用のワイドトレッドのスノータイヤを装着しているハンデをもつため初日は6位と出遅れたが、2日目にはじょじょにペースを上げている。

 彼はSS8ヘイヌンキエルトのステージではスクラッチでハンニネンを破るベストタイムを奪ったほか、この日の残り3ステージすべてにおいて2番手タイムを奪い、総合2位・フィンランド選手権優勝のアスンマーに0.3秒差の総合3位でフィニッシュすることになった。

「信じられない! アークティック・ラップランド・ラリーをR5クラスで2位でフィニッシュした! 優勝まであと0.9秒と僅差だったし、今日は最高の日になった。ニューマシンで初めてのイベントでこれだけの結果を出て、本当に信じられないよ。i20 R5は素晴らしく、とても速くて、乗っていて本当に気分がいいマシンだった」とオリヴァーは語っている。

 今季のWRC2でソルベルグのチームメイトとなるオーレ・クリスチャン・ヴェイビー(ヒュンダイi20 R5)は最終日を5位で迎えたものの、最終ステージでスロットルが動かなくなったために6分近くタイムロス、20位に沈むことになった。

 メルセデスAMG F1のヴァルテッリ・ボッタスがシトロエンDS3 WRCを駆って3度目のアークティック・ラップランド・ラリーに出場、6位でフィニッシュしている。