WORLDWIDE2020/07/21

パストラーナが火災、再開ARAでマッケンナが勝利

(c)subaru.com/rally

(c)Southern Ohio Forest Rally

 7月18-19日に行われたアメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)ナショナルシリーズ第2戦のサザンオハイオ・フォレスト・ラリーで、バリー・マッケンナ(シュコダ・ファビアRally2)が最終ステージでコンクリートの破片に接触してあわやの危機があったものの、フーニガン・レーシングのケン・ブロック(フォード・エスコート・コスワース4x4)をおよそ1分引き離してフィニッシュ、開幕戦に続いて連勝を飾ることになった。

 新型コロナウイルスによって中断してきたARAナショナルシリーズは、1月に行われたSno*Driftラリー以来、半年ぶりに再開、スバル・モータースポーツUSAは新しいシーズンにむけて、昨年、10度目の米国タイトルに輝いたデイヴィッド・ヒギンズに代えて、5度の米国タイトルに輝いているトラヴィス・パストラーナと2度のノースアメリカン・ラリーカップ王者に輝いているブランドン・セメナックという新体制でサザンオハイオ・フォレスト・ラリーにスバルWRX STIで挑むことになった。

 だが、昨年8月以来のARAナショナルシリーズ復帰となったパストラーナは不運とともに始まることになった。彼は土曜日の夕方に行われたオープニングSSから、スタートシグナルのトラブルで数名のドライバーとともにタイムが計測されないという問題でスタート、無事にゴールラインを通過しているため、おそらくこの日を終えたあと彼にはノーショナルタイムが与えられると考えられていた。

 だが、パストラーナは2つめのステージでエンジントラブルのためにマシンを道路脇に停止したところ、火災が発生、マシンは完全に燃え尽きてしまい、劇的なエンディングを迎えることとなった。パストラーナと今週末初めて彼のコドライバーを務めたクリッシー・ビーヴィスは、火災が完全に回る前にマシンから降りていたため、2人とも無事だった。

「パワーを失ってクルマを止めたら、すぐに火がでたんだ。オイルラインか何かだと思うが、何も残っていないので、わからない」とパストラーナは語った。

「僕たちは必要なポジションをキープしてポイントを稼ぎ、このラウンドを切り抜けようとしたが、それがうまくいかなかったことは明らかなので、最初からやり直しだ。次戦に向けてマシンを手に入れることができればいいが・・・」

「僕たちのチャンピオンシップ争いにとって大きな打撃だ。デビッド(・ヒギンズ)がいない今年、僕の仕事はそれを最大限に生かすことだが、厳しくなるだろう」

 開幕戦を制したマッケンナは、3月のラリー・メキシコで初めてファビアRally2を駆ったが、ARAシリーズでのデビュー戦となったこのイベントでも最初の5つのステージを楽々と制して2分以上の差をつけ、マシンを完全に制御してみせた。だが、最終ステージでは道路の真ん中にあったコンクリートの破片にヒットし、マシンに大きなダメージを負ってしまう。最悪の事態も予測されたが、マッケンナはステージを勝利したブロックに対して1分20秒を失ったが、なんとかフィニッシュまで辿り着き、シュコダでのアメリカでの初挑戦を初優勝で飾った。

「僕たちは一番手出走だったので、スイーパーが通過してゼロカーも通った後にもかかわらず、コンクリートの破片が残っていたことが少し不思議だった。それを避けるために溝にぶつかってしまい、サスペンションのジョイントを壊してしまったんだ。だが僕たちは欲しかった勝利を手に入れたよ」とマッケンナは語った。

 一方、フーニガン・レーシングのブロックも愛車の「コッシーV2」とともにサザンオハイオ・フォレスト・ラリーから今季のラリー活動を開始、4ヶ月前のラリー・メキシコではオーバーヒートの問題に悩まされたが、オハイオ向けにリビルトしたエンジンが功を奏し、スバル・モータースポーツUSAでのデビュー戦を迎えたセメヌクに18.8秒の差をつけて3位でフィニッシュした。