WRC2020/03/28

ヒュンダイ、全スタッフが在宅勤務

(c)Hyundai

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 ヒュンダイ・モータースポーツは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止に取り組むためのドイツ政府の措置を尊重し、全スタッフを自発的に在宅勤務としている。チーム代表のアンドレア・アダモは、前例のない状況を会社がどのように管理しているか、またチームはリモートで作業している間、どのように連絡を取り合っているかについて語った。

 ラリー・メキシコが早期終了となったため、ヒュンダイ・モータースポーツのあるアルゼナウから現地に派遣されたチームはヨーロッパに戻り、政府がコロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを管理する取り組みに沿って、全スタッフにリモートワークの措置を取った。

 ヒュンダイ・モータースポーツの従業員の間ではCOVID-19の感染は確認されていないが、ウイルスの蔓延を防ぐための政府の助言の下、周囲のコミュニティを保護するためにスタッフが自宅で作業することを自発的に決定した。

 バイエルンの彼の住居から、アダモは困難な時期を振り返った。

―アンドレア、まずヒュンダイ・モータースポーツの皆さんの状況はどうですか?

「言うべき最も重要なことは、みんな元気だ。少なくとも今の状況において最善の状態だ。我々の会社はバイエルン州にあり、バイエルンは先週後半から封鎖されている。我々は活動を制限する義務を持つが、実際には、この急速に変化する状況に対応するために、これより前からいくつかのステップをすでに実行していた。スタッフの健康と福祉が最優先事項だ」

―どのような対策を講じましたか?

「我々のチームには27か国から250名を超えるスタッフがいるため、状況が悪化する前に彼らに家に帰る機会を与えたかった。我々は自宅作業ができるための措置を講じ、エンジニアリング活動をできる限り管理できるようにした。我々はこの状況の中で最善を尽くそうとしている。世界中で、現時点ではモータースポーツを実行することよりも大きな問題があるので、それについて思慮を巡らし、その優先順位に沿おうとしている」

―ヒュンダイ・モータースポーツのような組織でリモート作業することは、簡単ですか?

「幸いなことに、我々は仮想ツールを介したコミュニケーションが非常に高度で効率的な時代に生きている。時々(オンライン)会議を呼びかけ、お互いの最新の状況をシェアするようにしている。理想的な状況からは遠いものの、世界が現在直面している最大の問題からも距離を置くことができている。我々はリラックスした状態を保ち、物事が再び始まるときの準備をしなければならない」

―状況の変化とラリーに同時に対処しなければならないラリー・メキシコは大変でしたか?

「我々は状況を解決するヒーローではなく、あくまで仕事の一部を行なったのみだ。病院で働いている人々ははるかに厳しい状況に直面している。我々は全員で会議を開き、ラリーを早期終了し、我々の多くが拠点を置くヨーロッパに戻れるようにすることに対して合意を形成した。またマニュファクチャラーだけではなく、小さなチームも現地に来ていた。我々には、彼らを助けるという国際社会における責任もあった。自分のことはさて置き、全体像を見ることも時には重要だ」

―今シーズン、これまでに開催された3つのWRCイベントについてどう思いますか?

「私の主な時間としては、2020年のWRCはすでに奇妙なものであったということだ。それらのイベントを振り返ってみると、満足しているとは言えない。確かにモンテには勝ったので、純粋に感情的な観点からは満足したが、パフォーマンスに制限があった。スウェーデンは、満足しなかった。そしてメキシコでは信頼性の問題に非常に動揺した。これらのイベントから、補強する必要があるという認識が高まった。我々は何を改善できるかを理解し、焦点を当てる必要がある」

―この間、クルーと連絡をとっていますか?

「私はドライバーやクルーと常に連絡を取り合っている。どのカテゴリーでも、WhatsAppでメッセージを交換したり、問題ないか確認しあっている。どちらかといえば、今まで以上に彼らと連絡を取り合っているくらいだ。彼らは皆、ヒュンダイ・モータースポーツの一員なので、最新の情報を保つようにしている。我々は皆、会社のメンバーなので、何が起こっているかを全員が知っている必要がある」

―このロックダウン中、自分のための時間はありますか?

「私が24時間働いていると言ったら嘘になるだろう。私はラッキーで、ドイツのアシャッフェンブルクの丘の小さな村に住んでいる。玄関の目の前には森があり、散歩をしたり、リビングルームのトレーニングマシンで自転車を漕いだりできる。私は健康と体力を維持しようとしている。この時間を使って自分自身を労わることが重要だ」

―自宅で過ごさなくてはならない人々へのメッセージはありますか?

「我々は皆、この困難な時期に、それぞれが小さな助けになろうとしている。モータースポーツ以外の優先事項があるとしても、我々は人々に、彼らが家にいる間も、彼らと共にあることを知ってほしい。いつ正常に戻るかわからない。我々は気持ちを切らさず、前向きに、自分のできることに取り組む必要がある」