Raid2020/01/14

プライベートのセラドーリが初のステージ勝利

(c)Dakar2020/DPPI

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 2020年のダカール・ラリーの第8ステージは、トップランナーたちがペースを落とすなか、マシュー・セラドーリ(センチュリーCR6バギー)がトヨタGAZOOレーシングのフェルナンド・アロンソ(トヨタ・ハイラックス)を抑えて初のステージ勝利を獲得した。

 第8ステージはワディ・アド・ダワシール周辺の474kmのループが行われたが、前日の第7ステージでパウロ・ゴンサルベスが亡くなったために二輪部門とスカッド部門はこの日の走行がキャンセルとなった。そのため4輪部門のトップグループは走行の指針となる2輪勢の轍がない砂漠のステージに苦労することになった。

 ステージ序盤は数人のドライバーが同様のペースでリードを競っていたが、ステージ後半でセラドーリは他を圧倒し、アロンソのトヨタよりも4分早くフィニッシュ、自身にとってもマシンにとっても初めてとなるステージ優勝を獲得した。

 1988年以来、4輪部門でステージ勝利を獲得した最初のアマチュアドライバーとなったセラドーリは、過去3度、2輪でダカールに出場した経験をもっており、前日に悲劇的な事故で亡くなったライダーのパウロ・ゴンカルベスにこの勝利を捧げると語った。

「僕は元は2輪のライダーなので、この勝利をパウロに捧げたい。このような一日の後にスタートするのは簡単ではなく、僕のナビゲーターのファビアンも同じ気持ちだった。しかし、僕らはクルマのなかでは攻撃を続けなければならなかった」とセラドーリ。

「僕は本当に幸せだ。昨日はスタックして30分を失うなど非常に複雑な日になったので、素晴らしい日になった。僕らのミスはこれで帳消しになった。みんなが僕の後ろにいるのは良い気分だ」

 セラドーリは日曜日に砂丘でスタックし、順位を落としていたが、このステージ勝利によってトヨタドライバーのベルンハルト・テン・ブリンク(トヨタ・ハイラックス)を抜いて総合7位に浮上した。

 2度のF1王者であるアロンソは、ダカールのステージにおける自己最高となる2番手タイムでフィニッシュ、難しい砂漠でのナビゲーションを行ったマルク・コマを称賛した。

「今日は信じられない展開になった。不運なパンクが1度あり、そこで少しペースが落ちたけれど、それ以外は完璧だった」とアロンソは語った。

「二輪部門の走行がなかったことで、僕たちよりも前につけるドライバーは轍を指針にできず苦労しただろう。しかし、マルク(・コマ)は最高の仕事をしてくれた。砂丘地帯のナビゲーションは難しかったが、彼の仕事はまさにミラクルだった」

 第8ステージを終えて、総合首位はXレイド・チームのカルロス・サインツ(MINIジョンクーパーワークス・バギー)がキープ。サインツは、第7ステージの勝利によって道を開かねばならず、2輪の轍がなかったため、月曜日はさらに厳しいスタートとなった。

 最初の150kmでサインツはステージリーダーと比較して15分を失い、最も近いライバルであるトヨタの昨年チャンピオンであるナッサー・アル‐アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)に対しては8分を失った。

 サインツは、アル‐アッティーヤとステファン・ペテランセル(MINIジョンクーパーワークス・バギー)の2台に抜かれ、総合リードを大きく失う恐れがあったが、なんとか持ち直して2人に追いつき、3人は僅差でこのステージを終えた。

 サインツはセラドーリよりも19分遅かったが、アル‐アッティーヤからは約3分、ペテランセルからは約6分の遅れに留まり、総合では6分40秒のリードで首位を維持している。ペテランセルもサインツからは13分9秒遅れの3位で続いており、優勝のチャンスを残している。

 第8ステージでは、セラドーリとアロンソに続き、オーランド・テラノヴァ(MINI オール4レーシング)がステージ3番手、トヨタのジニール・ドゥ・ヴィリエ(トヨタ・ハイラックス)が4番手、ヤジード・アル‐ラジ(トヨタ・ハイラックス)が5番手タイムを獲得した。

 アル‐ラジは総合4位でサインツ、アル‐アッティーヤ、ペテランセルを追っているが、トップからは依然として30分以上遅れている。