RallyCross2019/06/28

プロジェクトEラリークロスマシン、9月初旬公開へ

(c)FIAWorldrallycross.com/STARD

 世界ラリークロス選手権のプロモーターであるIMGモータースポーツは、2020年選手権の限定されたいくつかのヨーロッパ・ラウンドにおいてEVラリークロスマシンによる新しいシリーズを従来の世界RX スーパーカーと同じイベントスケジュールで走らせることを明らかにした。この新しいシリーズとなる「プロジェクトE」は、世界ラリークロス選手権のEV化の実現を目指す開発シリーズとなる。

 FIAは先のワールド・モータースポーツカウンシル(WMSC)において、世界ラリークロス選手権での電気化をふたたび推し進めるための新しいロードマップを承認、現在、世界ラリークロス選手権で現在使用されているスーパーカーのボディをそのまま活用し、モーターやバッテリーなどのコンバージョン・キットによってEVマシン投入を推し進めることを決定した。プロジェクトEは、電気化のロードマップに従って、EVラリークロスマシンを現在の世界RXの環境において評価していくことを基本的に目指すことになる。

 プロジェクトEは、IMGとオーストリアの企業STARD(ストール・アドバンスド・リサーチ・アンド・デベロップメント)が共同で進めている計画であり、2021年から導入される世界ラリークロス選手権の電気化を段階的に準備するためにプロジェクトEのラリークロスマシンでも電動化の技術、充電や安全システムの開発にも重点を置いていくことになる。

「我々はこの数ヶ月間、世界ラリークロスの将来の電化に向けてSTARDとともに取り組み続けてきた。そして今、ラリークロスや特にプロジェクトEのための電気ソリューションの継続的な開発において我々は重要な段階に達している」とFIA世界ラリークロス選手権プロモーターであるIMGの世界RXマネージング・ディレクターのトーベン・オルセンは語っている。

「プロジェクトEレースカーの技術的詳細により、革新的なデモンストレーションとなるこのシリーズは、来年開催される世界RXのいくつかの限定イベントでの週末の中で非常に楽しみなプラス要素となるだろう」

 プロジェクトEは、おおよそ450kW(600馬力)、瞬時最大トルク1100Nmの出力を持つ、STARDの『REVelution』 、EVパワートレイン・システムを使用することになる。

 計画としては、2019年にSTARDが世界ラリークロス選手権で走らせているフォード・フィエスタといった現存のシャシーを使用するという方向性にある。コンセプトでは、現在使用されているクルマが変換されたものでも、あるいはREVelution』 ドライブ・ドレインを使用して「現在のシャシー規定に沿って新たに製作されたもの可能となっている。

 STARDは広範囲に及ぶR&Dプログラムを行いながら、プロジェクトEラリークロスマシンのテストを来月からスタートし、9月初旬に正式な公開を行う計画となっている。