WRC2020/03/22

ベテランのベルナッキーニが2年ぶりWRC復帰

(c)Citroen

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 ベテラン・コドライバーのジョバンニ・ベルナッキーニが、先週のラリー・メキシコにおいて2年ぶりに世界ラリー選手権に復帰、マルコ・ブラチアとともにWRC3優勝を成し遂げた。

 イタリア生まれの49歳のベルナッキーニは、1995年からコドライバーとしてのキャリアをスタート、イタリア選手権でルカ・ペデルソーリやパオロ・アンドレウッチと組んで頭角を現したあと、ジジ・ガリとともに世界ラリー選手権に挑戦、2006年アルゼンチン、2008年スウェーデンで2度の表彰台を経験している。彼はその後、ナッサー・アル-アルアッティーヤのコドライバーを6年務め、中東選手権で22勝、コドライバーとして6回の王座を経験、2014年にはWRC2タイトルをともにした後、2017年をもって23年にわたる競技生活に一旦ピリオドを打って、アバルトのスポーツディレクターとして再出発を果たしていた。

 しかし、ベルナッキーニはデスクワークを離れ、ふたたび狭いコクピットのなかでペースノートを読む生活をスタートした。彼は、19歳の才能あるブラチアのために自分の経験が少し役立つかもしれないと語っている。

「僕としては、ラリーを引退してから2年後に戻ってきたのは不思議な気持ちだった。復帰戦で勝利できたことは素晴らしい。僕は自分の経験を最初からマルコと共有しようと努めた。今のところすべてが完璧に機能しているようだ。今シーズンはさらに多くのラリーができることを願っている。マルコは非常に良いドライブをしていて、とても賢い。彼は才能がある。復帰してすぐの勝利なので最高の気分だよ」

 ベルナッキーニは、かつての相棒だったナッサー・アル‐アッティーヤと話したことが復帰のきっかけになったと明かした。

「実際のところ、3週間前、僕はナッサー・アル‐アッティーヤの従弟で、彼と同じ名前のナッサー・アル‐アッティーヤと、ラリー・オマーンに参戦した。それがメキシコの前のただ一つのラリーだった。僕はモータースポーツ界で仕事を続けようとしていたが、デスクワークは僕には向いていなかった。ラリーカーのシートは25年経っても僕の居場所だった。そして、もうすぐ50歳だ。うれしいね」

 ブラチアは、メキシコでは経験豊富なベルナッキーニが傍にいてくれたので心強かったと語った。

「僕がメキシコを走るのは3回目だったので、多少の経験があった。しかし、新しいマシンと新しいコドライバーなので、慣れる必要があったが、ジョバンニはプロフェッショナルだった。彼はここにたしか8回来たことがあり、僕よりも経験がある。彼が僕の側にいてくれることは素晴らしいことだ」

「僕はWRC3を勝利するために頭を使ってラリーをし、大きなミスは犯さなかった。プレッシャーはあったが、ラリーはとても楽しかった。僕は常に数分でリードしていたので、集中力などを維持することがとても難しかった。これは僕にとって初めての勝利になったので本当に嬉しいよ」