WRC2021/05/31

マトン、ジャパンの開催はオリンピック次第

(c)Toyota

 FIAラリーディレクターを務めるイヴ・マトンは、11月11〜14日に愛知・岐阜で開催が予定されている世界ラリー選手権最終戦ラリー・ジャパンが開催されるかどうかは、東京オリンピックが無事に開催されるかどうかにかかっていると語った。

 東京オリンピックは7月23日〜8月8日に開催が予定されるが、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ワクチン接種が進んでいない状況のなかで開催への反対の声も高まっている。日本政府は東京オリンピックの開催を見据えて東京を含む9都道府県での新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を6月20日まで延長しており、国際オリンピック委員会(IOC)もジョン・コーツ副会長が東京で緊急事態宣言が発令されていても、健康面で安全な大会の確保に十分だと発言、東京オリンピックは開催されると強気の考えを示している。

 FIAラリーディレクターのマトンは、東京オリンピックが許可されれば、ラリー・ジャパンは予定通り開催されるだろうとラリーメディアのDirtFishにむけて語った。

「東京オリンピックが普通に開催されれば、11月に日本でラリーが開催されることが確定する」とマトンは語った。

「我々は日本での開催に向けて作業をしている。スポーツの有識者会議(タスクフォース)は、いつも通り主催者と協力している。今のところ、我々はオリンピックがどうなるかということに注目している。これがラリー・ジャパンを語る上での合図となる」

 トヨタGAZOOレーシングWRCチャレンジプログラムから世界ラリー選手権に挑戦している勝田貴元にとっては、ジャパンが開催されれば待望の初の母国でのWRCとなる。

「東京オリンピックがラリー・ジャパンに大きな影響を与えているのは確かだ。でも、もし開催されるのであれば、僕はとてもとても楽しみにしている。ホームラリーには多くのファンや家族が集まるので、これまでで最高の、最大限のプッシュをしたいと思っている」と勝田はDirtFishで語っている。

 日本では、ラリー・ジャパンの1カ月前となる10月8〜10日に鈴鹿サーキットでF1日本GPが開催される予定となっているが、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドの田中薫社長は、4月24日に行った記者会見のなかで、F1日本GPの開催が可能かどうかの判断については「東京オリンピックの開催がどうなるのかが重要だ」と語っており、東京オリンピック・パラリンピックが開催されれば、懸念されている海外からのスポーツ選手の入国制限措置についても緩和が進むだろうとの考えを示している。