WORLDWIDE2021/01/23

ミーク、中東選手権カタールでラリーに復帰

(c)Dakar rally

 1月28〜30日に行われる2021年中東ラリー選手権の開幕戦となるカタール・インターナショナル・ラリーで、クリス・ミークがシュコダ・ファビアR5を駆ってラリーに復帰する。

 ミークは昨年初め、レジェンド・ブークル・ア・バストーニュでヒストリック・ラリーに出場して優勝したが、それ以外では2019年末に世界ラリー選手権を離れて以来、今回のカタールが初めての本格的なステージラリーとなる。

 WRCで5回の優勝経験を持つミークは、ラトビア・スポーツ・レーシング・テクノロジーズ(SRT)がプリペアするシュコダ・ファビアR5で参戦し、このイベントで14回の優勝経験を持つナッサー・アル‐アッティーヤと対戦する。

「僕に声をかけてきて、やってみないかと言ってくれた人がいたんだ」とミークは語った。「僕は(コドライバーの)セブ(・マーシャル)にどうかなと尋ねて、セブは是非という答えだったので、僕もやりたいと答えた」

「今はダカールのようなラリーに興味があり、クロスカントリーラリーをさらに探求したいと思っている。中東でラリーをやるのもいい。ステージラリーだし、かつての自分が慣れているものでもあるからね。ナッサー・アル‐アッティーヤと競うのはどうかって? もしかして彼らは、ナッサー・アル‐アッティーヤに立ち向かおうとするバカをようやく見つけたのかもしれない!」

「だが僕はナッサーを倒すためにそこに行くわけではない。自分のベストを尽くすが、彼のホームグラウンドで彼に勝てるとは思っていない。彼は長年、自分のレベルを知っているからね」

「僕はそこで経験を吸収するつもりだ。つま先をその世界に突っ込んでおくことが重要なんだ。何が起こるかなんてわからないからね。うまくいけば、将来的には砂漠のラリーをもっとたくさん経験できるかもしれない。これは中東でラリーに参加して感覚を保つ新たなチャンスだ」

 ミークはすでに昨年8月にイタリアでシュコダ・ファビアRally 2エボをテスト走行している。

「今回のマシンはトップのスペックだ」とミークは認めた。

「2020年に向けてあれやこれやと話し合いをしていたが、コロナウイルスの問題が発生して、やりたいことがすべて消えてしまった。ダカールは今年初めの大きな目標だったが、パンデミックの最中に契約をまとめることはそれ自体が大仕事だった」

 ミークは、PHスポールがプリペアしたゼファーT3.1を駆ってアブダビ・レーシングからダカール・ラリーに初参戦、プロローグを制して優勝争いも期待されたが、第1ステージをリードしていた際に火災によって走行不能となり、クラス58位という最下位でのスタートとなってしまった。その後も何度かメカニカルトラブルに悩まされ、首位から85時間遅れの41位でフィニッシュしたが、「すべての瞬間が最高だった」と戦いをふりかえっている。

「初めてのダカールは常に特別なものだろう。あのスタイルが自分に合うことはわかっていたよ」とミークは語った。

「メガ級に大好きだった。スタートラインに座って、ロードブックが与えられ、誰もがスタートラインを右に曲がるのか左に曲がるのが正解かもわからないままに、500kmを即興で走る。信じられない」

「ダカールはただの砂漠、砂、砂丘と思われているが、それは違う。ゴミ箱ほどの石や、トラクターでもその上を走りたくないような、サッカーボール大の石がゴロゴロしている。2時間もその中にいて、ウェイポイントを探すんだ。全てが新しく、スケールが大きく、狂っていたが、すべての瞬間が最高だった」