WRC2019/04/28

ミーク、10秒ペナルティで3位から5位に後退

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 ラリー・アルゼンチンのスチュワードは、土曜日に行われたSS11クチージャ・ネヴァダ〜チャラカトのステージにおいてオイット・タナクとクリス・ミークがロードブックに記載されたルートと異なるコースを走行したとして10秒のペナルティを科すことを決定した。タナクはSS14でオルタネーター・トラブルのためリタイアとなっており、順位には影響がないものの、3位につけていたミークはこれによってセバスチャン・オジエとダニエル・ソルドに抜かれて5位へと後退することになった。

 クチージャ・ネヴァダ〜チャラカトのステージには一本道の中央に石柱によって左右に道路が二つに分岐するジャンクションが設けられていたが、ロードブックでは正しいルートが石柱の左側にあることが明確に記載されており、レッキの際には道路の右側がゲートで閉鎖されていたが、このステージの1回目の走行ではゲートが設けられていなかった。

 スチュワードは、シトロエン・レーシングの抗議に基づき、土曜日の夜、このステージのビデオの検証を行った結果、正しいルートを走らなかったタナクとミークとともにトヨタGAZOOレーシングWRTのスポーティング・ディレクターであるカイ・リンドストロームをスチュワード・ミーティングに招聘して聴き取り調査を行っている。

 ミークは、右側のルートがガイド2で示されたロードブックと異なることを理解していたが、スローパンクとブレーキに問題があったことに気が削がれていたためにゲートの開いていた右側のルートが正しいルートではないことに気づかずに通過したと説明、いっぽうタナクは昨年同じステージで当該ジャンクションにおける制約がなかったことから今年は右側のルートが制限をされていることに気付かなかったと説明、今年のレッキ時には右側のルートがゲートでブロックされていたため左側のルートを通過してペースノートを作成したものの、1回目の走行ではゲートが開いていた右側のルートを通過してしまったと語っている。

 リンドストロームは、昨年にはなかった規制が今回のロードブックへ追記されたことによる誤解と一本道の中央に石柱によって左右に道路が二つに分岐する珍しい形のジャンクションが混乱を招いたものであり、タイムを縮めるために意図して正しくないコースを通過したものではないと補足説明を行っている。

 スチュワードはこうした状況をふまえ、両者が右側のルートを通過したことが意図したものかどうかにかかわらず、正しくないルートを通過したと判定、それぞれ10秒ずつのペナルティを科すことを決定している。

 3位につけていたミークはこれで5位へと後退することになったが、ポディウム圏内までまだ7.2秒差にしかすぎないため、最終日に逆転するチャンスはまだ残されていると見られている。