WRC2013/02/17

ヤリスS2000計画、まだ中止決定したわけではない

(c)TMG

 TMGが開発を行ってきたGRE(グローバルレースエンジン)のホモロゲーションが申請されなかったことから、ヤリスS2000計画の中止が噂されていたが、TMGに近い関係者はこの情報を否定した。

 S2000の新規ホモロゲーションの最終申請期限は、今年9月までとなっており、ヤリスS2000にTMG製GREを搭載するのであれば、今年1月1日の時点でGREのベースエンジンのホモロゲーションが有効になっている必要があったとされてきた。しかし、TMG関係者によれば、9月にはベースエンジン未公認のままS2000を申請、11月末に遅れてGRE申請を行い、2014年1月にエンジンの公認と同時にS2000の公認を受けてのモンテ・デビューは可能だという。

 ただしあくまで可能性があるというだけで、ヤリスS2000計画の未来はかなり苦しい状況にはあるようだ。

「TMGはヤリスによるラリーカー計画を引き続き推進しており、ヤリスS2000が2014年モンテカルロに出場する可能性は、ぎりぎりだがまだ残されている・・」と関係者は語る。

「木下TMG社長はヤリスによるWRC参戦を絶対に実現させたいという思いを強く抱いているが、今のところトヨタのモータースポーツはWECが中心となる。欧州ディーラーなどからも再三にわたってラリー参戦への要望があるようだが、それには本社トップの英断が必要になる」

 とくにヒュンダイは小型車の販売でトヨタの脅威となりつつあり、トヨタ欧州の営業サイドはヒュンダイのWRC参戦とマーティング戦略に対して強い危惧を抱いており、そのためにもトヨタのWRC復帰を望んでいるという。

「今年1月にヒュンダイ・モータースポーツのトップに就任したミッシェル・ナンダンが、昨年夏、TMGを訪ねてきた。ヒュンダイから声を掛けられているという挨拶でもあったが、あるいはトヨタがWRCをやるならばかつての古巣であるTMGのために働きたいというラブコールだったかもしれない。しかし、トヨタは彼をヒュンダイに奪われてしまった!」