WRC2020/02/15

ラトバラは電気系問題でリタイア、ラリーも撤退へ

(c)Toyota

 ヤリ-マティ・ラトバラは、金曜日朝のSS4ニッケルヴァットネットのステージで電源ケーブルの問題によって1分以上を失って最終ステージを前にリタイアとなった。トヨタはラトバラがラリーからも撤退となり、再出走しないことを認めている。

 トヨタのワークスチームからではなく自身のプライベートチームからスウェーデンに参戦したラトバラは、ここで印象的な結果をみせて、トヨタのシートをふたたび手にするチャンスを見つける計画だったが、残念ながらスタート早々に失望が待っていた。

 SS3フィンスコーゲンでスピンしてディッチにマシンを落としたラトバラは50秒をロス、その後、エンジンが断続的にカットする問題に見舞われてしまい、SS4ニッケルヴァットネットではさらに1分20秒もの遅れを喫することになった。

 トヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチーム代表のトミ・マキネンは、ヤリスWRCの底面に衝撃はあったが、このトラブルが作業における人為的ミスが主な原因であったことを認めるとともに、上位でのフィニッシュが不可能となったラトバラはスウェーデンでは早期のリタイアとして、その埋め合わせとして6月のラリー・イタリア・サルディニアでの走行を約束した。

 スウェーデンに大きな期待をラトバラの気持ちを理解しているマキネンは、ラトバラに対して申し訳ない気持ちだと語っている。

「単純に小さな人為的ミスだった。サンプガードに直接大きな衝撃があり、これにより主電源ケーブルが損傷した」とマキネンは語った。

「衝撃はマシンを破壊するものではなかったが、ケーブルを破壊した。それで(電源供給が)途切れ始めた」

「残念ながら、ケーブルはブラケットの間違った側に取り付けられていた。我々にできることは、それが二度と起こらないようにすることだ。私は彼に申し訳なく思っているし、皆に対しても申し訳ない。これが起きたのは初めてだ」

 ラトバラの今後のラリーについて尋ねられたマキネンは、彼のチームはすでにイタリアのラウンドの新しいプログラムに取り組み始めていると語った。

「我々は彼のために他の新しいラリーを調査しており、サルディニアを検討している」とマキネンは語った。

「新しい電源ケーブルを取り付けることもできたが、明日彼を参戦させることにあまり意味はない」

「もし雪が降って、彼が一番手で道路を走るとしたら、彼に何ができる? どうしようもないだろう。代わりに彼を別のラリーに参戦させたい。明日のここではこれ以上何かをするチャンスは無い」

 ラトバラは2009年にはラリー・イタリア・サルディニアで優勝し、昨シーズンのイベントでもトゥーラのステージで横転するまでラリーをリードしていた。