WRC2019/04/27

勝田、WRC2首位快走も不運なホイール破損

(c)Toyota

(c)Citroen

 ラリー・アルゼンチンのWRC2カテゴリーは、雨によって難しいコンディションのなかで首位が5回にわたって入れ替わる激しいサバイバル戦となるなか、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)が2つのベストタイムでトップでゴールをするかに見えたが、彼はこの日の最終ステージで左フロントのホイールを破損してコースオフ、ディッチから脱出できず不運なリタイアとなってしまった。

 勝田は木曜日夜のスーパーSSでラリーをリード、金曜日の朝は前日まで降り続いた雨の影響でマディなコンディションとなるなか、慎重なペースでこの日をスタート、3位にポジションを落とすことになった。

 このステージでベストタイムを奪ってラリーをリードしたのはERCチャンピオンのカイエタン・カイエタノビッチ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)。しかし、彼はSS4のジャンプの着地でリヤサスペンションを破損、ステージをどうにか走りきったものの修理を断念してリタイアとなった。

 SS4でベストタイムを奪って首位を奪い返したのは勝田。しかし、チリのアルベルト・ヘラー(フォード・フィエスタR5)も1.7秒差で続いており、勝負の行方はまったくわからない。SS5でもA.ヘラーは勝田を0.7秒上回るベストタイムでじわりと1秒差に迫り、SS6でついに0.8秒差ながら勝田を捕らえて首位に立つことになった。

 しかし、A.ヘラーはSS7でフィエスタのエンジン補助ベルトが壊れストップし、この日2つめのベストタイムを奪った勝田が3度目の首位に立った。しかし、多くのドライバーが悪コンディションのなかで犠牲になった最終ステージで勝田は走行中にホイールのリムを破損、ディッチにオフして彼は不運なリタイアをすることとなった。

 これによって兄のペドロ・ヘラー(フォード・フィエスタR5)が、ブラジル出身のパオロ・ノブレ(シュコダ・ファビアR5)に対して5分42.1秒の差をつけてリードに立った。

 また、この日の朝、ファビアR5を横転させ、さらに最終ステージのパンクにもかかわらず、ベニート・グエラはさらに26.6秒遅れて3位につけている。

 WRC2プロ選手権は、シトロエン・トタルのマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)がボリビア出身の18歳、マルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)に4分37.7秒差をつけてトップに立っている。

 オストベルグは金曜日のオープニングSSでブラチアに10秒差をつけるベストタイムでリードを奪ったが、ブラチアはSS4のパンクのために4分55秒をロスして大きく後退してしまう。彼は一度パンクしてタイヤを交換したものの、そのタイヤがエア漏れを起こしたためにすぐに2度目の交換を強いられてしまった。

 これでMスポーツ・フォードのガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)が2位へと浮上、朝のループを終えてオストベルグから20.4秒差につけていたが、午後のループの最初のステージでフロントサスペンションを壊してリタイアとなってしまった。

 オストベルグもSS7ではスローパンクの危機があったが、堅実なペースで走りきり、ブラチアに4分37.7秒差をつけて競技初日のトップにつけている。