JAPAN2020/11/29

新井大輝が唐津で優勝、初の全日本王者に

(c)Takeshi Sakuma

(c)Takeshi Sakuma

 2020年全日本ラリー選手権最終戦のツール・ド・九州2020 in 唐津が11月27〜28日に行われ、アライ・モータースポーツの新井大輝/小坂典嵩(スバルWRX STI)が最終日に逆転優勝を果たし、初の全日本チャンピオンに輝くことになった。

 ツール・ド・九州は当初は第3戦として4月に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染の防止対策にともない、晩秋へと開催時期を遅らせており、全日本最終ラウンドは無観客でのフィナーレを迎えることになった。

 ナイトステージを含む2つのステージで行われた初日を終えて首位に立ったのは奴田原文雄/佐藤忠宜(三菱ランサーエボリューション)。これに前戦のラリー北海道での勝利で選手権トップで最終戦を迎えた新井大輝が4.2秒差の2位、勝田範彦/石田裕一(スバルWRX STI)が6.9秒差の3位で続くことになった。

 首位で奴田原は最終日も好調な走りをみせて、SS3でベストタイムを奪い、リードを4.6秒に広げることに成功する。しかし、新井大輝はSS4、5で連続してベストタイムを奪って反撃を開始、首位の奴田原まで2秒差に迫ってみせる。SS6ではこの日3つめのベストタイムを奪った新井大輝に対して、奴田原は痛恨のスピンで15秒を失い、首位を明けわたして13秒差の3位へと後退、2位には勝田が浮上することになる。

 奴田原はSS7では新井大輝と最速タイムを分け合ったあと、SS8で連続してベストタイムを奪って猛追、勝田を抜いて2位へと挽回、新井大輝まで10.7秒差へと迫ることになった。

 新井大輝もSS9でのベストタイムで応戦、奴田原は終盤の2つのステージで連続してベストタイムを奪うも追い詰めるまでには至らず、新井大輝が10.8秒差をつけて唐津で優勝を飾るとともにJN1クラスでの初王座に輝くことになった。

「唐津で無事に勝てて、人生初のチャンピオンになることができました。プレッシャーもありましたが、なんとかポジティブな気持ちを持ち続けたことが良い結果に結びついたと思っています。今回はコロナ禍で観客がいないなかでの開催でしたが、来年こそはファンのみなさんに来て頂いたなかで結果を残していきたいと思います」と新井大輝は語っている。

 奴田原から18秒遅れの3位には勝田、4位には新井敏弘/田中直哉(スバルWRX STI)、5位には鎌田卓麻/鈴木 裕(スバルWRX STI)が続いている。

 今回の唐津ではトヨタGRヤリスの全日本戦デビューも注目されたが、クスコレーシングの柳澤宏至/保井隆宏は総合6位でフィニッシュしている.

 また、JN2クラスは中平勝也/行徳 聡(トヨタGT86 CS-R3)、JN3クラスは曽根崇仁/竹原静香(トヨタ86)。JN4は高橋悟志/立久井和子(スズキ・スイフトスポーツ)、JN5は小濱勇希/東 駿吾(トヨタ・ヤリスCVT)がそれぞれ最終戦を制している。