WRC2020/10/24

イープル準備に打撃、ヘミキューダ・ラリーも中止

(c)Toyota

 ベルギー政府が新型コロナウイルス第2波の影響でアマチュアイベントの中止を決定したことにともない、今週末にベルギーで開催を予定していたヘミキューダ・ラリーの主催者はイベントの中止を余儀なくされたことを発表した。

 ヘミキューダ・ラリーは11月に開催されるイープル・ラリーの準備として、当初からトヨタGAZOOレーシングWRTのセバスチャン・オジエとエルフィン・エヴァンスが出場を予定、さらに昨日になってヒュンダイ・モータースポーツが同じくイープルの準備を行う予定だったサウス・ベルギー・ラリーがキャンセルとなったため、クレイグ・ブリーンとオイット・タナクの二人も急遽、ヘミキューダ・ラリーへの参戦に変更すべくイベント開催地にむけて移動したが、いずれのチームにとっても残念な結果となっている。

 ベルギー国内で新型コロナウイルスがふたたび流行していることにともない、ベルギー政府は金曜日の朝、スポーツイベントへの新しい規制を発表、今後4週間にわたってアマチュアのイベントを禁止し、屋内外のプロスポーツについては非公開で開催とする決定を行っている。

 この措置に伴い、10月25日にウェストフランダース地方のケーケラーレで行われる予定だったヘミキューダ・ラリーはスタートを目前にしてキャンセルをすることになっている。

 ヘミキューダ・ラリーを主催するオートスタル・ヘミキューダのクラーク・オブ・コースを務めるヤン・ヴェルシェーヴは非常に残念なことだと語った。

「我々のイベントの前夜に、このような決定を下すことは非常に残念なことだ。このイベントを開催することを決めた時、すでに数ヶ月前から、我々の道には多くのリスクがあることを知っていた。ギリギリまで計画を練り、今朝の政府の決定と地方自治体の同意を得て、観客なしでイベントを開催する準備をしていた。しかし、我々が期待していなかったのは、プロの参加者がいること、厳しい国家安全保障プロトコル、そして私たちが遵守しなければならない多くの国家安全保障手続きを考えると、このイベントが『アマチュアイベント』に分類されてしまうことだった」

「政府は、プロのイベントは(観客なしで)行われることができ、アマチュアのイベントは延期されることを決定した。法的にどこがプロで、どこがアマチュアのイベントとして理解されるべきかの正確な定義は、ちょうど今始まったばかりである。この法的な用語についての議論が、スポーツ民団との間で行われたことが、もっと早くに意思疎通ができなかった理由だ」

「エントリーリストは、今年は印象的だった、多くのワールドクラスのチームがベルギーの世界ラリー選手権の前にされていた。もちろんイープル・ラリーのためのテストとしてだ。20回目の開催は我々にとっては忘れられない結末となったが、これまでの数週間と数ヶ月にわたって行ってきた膨大な仕事に報いるものだった」

「最後の最後まで信頼とサポートをしてくれた関係者にみなさんに感謝したい。皆さん、安全に気をつけて、2021年に向けて頑張りましょう」