WRC2021/05/10

エストニア開催を国が特別許可、観客は6月末判断

(c)Toyota

 エストニア政府は先週、社会的・国家的利益が最優先されるとしてラリー・エストニアの規制への適用除外を支持、開催を特別に許可することを決定した。だが、スペシャルステージやサービスパークでファンの観戦が許されるかどうかについては6月末の決定になるという。

 エストニアでは3月11日にこれまで最多となる新規感染者が1900人を超える事態となったため、イベント開催や移動については厳しい制限が課せられていた。これらの制限はいまも解除されていないが、ワクチン接種については5月1日には国民の4人に1人が少なくとも1回、70歳以上の国民では7割を超えたほど接種が進み、1日あたりの感染者も430人と減少傾向にあることから、段階的な規制緩和と社会活動の再開への期待が高まっていた。

 政府はイベントについては現在の疫学的状況を注視しなければならないとして、5月22日に予定されていたヴォハンドゥ・マラソンについては延期することを決定したが、バレーボール欧州チャンピオンズリーグ(5月28〜30日)とラリー・エストニア(7月15〜18日)については開催を特別に許可することになった。

 発表によれば、政府はこれら2つのイベントはエストニア国家にとって非常に重要なスポーツイベントであり、経済的にも大きな影響を及ぼすものの、現在の制限の中では、参加者や主催者の数が多いためハイレベルのイベントを開催することはできないため適用除外を支持することを決定したという。しかしながら、主催者は保健当局と協力して感染拡大を防ぐための計画書を作成する必要があるとしている。

 ラリー・エストニアについては、昨年は1,000人を超える屋外イベントを禁止するという規制下で1,000人ずつの16グループに分けた観戦チケットを販売し、総観客数16,000人を動員、最終的にイベントでの感染者ゼロを達成している。

 主催者は、昨年までの感染対策の実績を踏まえてこれまで今年のイベントはさらに多くの観戦指定エリアを設け、より多くの観戦グループによって最大で50,000名の観客をステージに呼び込む計画だとしてきた。政府によれば、今後の感染状況や主催者による感染防止計画に基づいて、ラリー・エストニアへの観戦者の入場については6月末に判断するという