WRC2021/11/29

エレナ、プロのラリーキャリアを終えることを発表

(c)RedBull Content pool

 セバスチャン・ローブが、Mスポーツ・フォードのプーマRally1をテストして、来年のラリー・モンテカルロでWRCへ復帰するためのウォームアップを開始したようにも見えるが、その一方でダニエル・エレナはコドライバーとしてのキャリアを終えることを発表した。

 ローブとエレナは、2004年から2012年にかけてシトロエン・レーシングにおいて9年連続でワールドタイトルを獲得、一度はWRCから引退したものの、2018年にスポットで出場したスペインでは二人にとって79回目の勝利を飾っている(写真)。ローブとエレナはその後、2019年と2020年にはヒュンダイで限定的に参戦を続けてきたが、ラリー・トルコでの119回目のポディウムを最後にチームを去っている。

 ローブは今年3月、クロスカントリーラリーに限っては2人のパートナーシップを終えることを発表、来年のダカール・ラリーのナビゲーターにファビアン・ルルカンを起用することを発表している。ローブのこの決定はエレナにとってもショッキングなものだったが、ローブはラリーについてはこれまでどおりにエレナとのコンビネーションを継続すると発表、今年6月のラリー・モンブランには2人でプジョー306マキシで出場し、表彰台を目前にしてメカニカルトラブルで6位となっている。

 エレナは先週末の日曜日、いつものコラム「ダノスの視点」においてラリーカーのコクピットを離れることを決めたことを明かし、事実上、プロフェッショナルとしてのコドライバーのキャリアを終えることを発表した。

「本はもう閉じようとしている。いろいろなことがあったが、3月にあのような話(プロドライブのラリーレイドプログラムからの脱退)があったことが、僕に疑問を投げかけ、自分の将来を見直すきっかけとなったことは確かだ」とエレナは述べている。

「僕はこの競技を愛しているが、現在では、復帰するモチベーションはなくなってしまった。僕はもう前に進んでいて、もうノートを投げたりしたくないし、他のことに集中したいんだ」

 ローブは先週、フランスで行われたMスポーツ・フォードのテストではフランス出身の女性コドライバーのイザベル・ガルミッシュを新しいパートナーに迎えて走っており、ローブのモンテカルロへの出場が実現した場合には、WRC参戦189戦目にして初めてエレナ以外のコドライバーと走ることになる。

「おそらく僕は将来的には他のラリーにも出場することにはなるだろうが、必ずしもダニエルと一緒にやるとは限らない。ダニエルにはダニエルの、僕には僕の理由があり、これはそれぞれの理由で決めたことだ。ダニエルは、子供たちのために時間を使い、そして自分のビジネスのために時間を使うことができる」とローブは述べている。

 ガルミッシュは、これまでWRC には6戦の出場経験しかないが、フレンチカップやフランス・グラベル選手権など国内レベルでは228戦の出場経験をもつ。