WRC2021/04/26

オジエ、接触事故後の対応を警察署で謝罪

(c)Sebastien Ogier

 セバスチャン・オジエは、日曜日に発生したロードセクションにおける接触事故に関して、まるで警察官の制止命令を完全無視して事故現場から逃走したかのようにファンが撮影した動画とともにソーシャルメディアでニュースが拡散していることについて、この動画は状況を正確に伝えているものではないと説明を行うとともに、ラリーがフィニッシュしたあと警察署を訪れて事故後の対応について謝罪を行ったことを明らかにした。

 オジエはラリーのゴール後、スチュワード・ミーティングに召喚されて事故状況の説明を行っている。それによれば、オジエは接触事故後、すぐに相手ドライバーにケガがないことを確認、現場に駆けつけた警官からの事情聴取をすでに済ませてラリーのステージに向かう許可が下りていたにもかかわらず、言葉の問題からこの状況を理解していなかった警官の一人がクルマを制止しようとしたと説明している。

 オジエはイベント終了後、チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラを伴って警察署に急行し、事故に関するすべての問題が解決したと報告している(写真)。
 
「今朝の出来事について、お詫びと報告をさせていただきたい。一部の報道とは異なり、僕らは交通事故の後、現場に停止して警察と状況の確認を済ませている。まず、相手のドライバーが怪我をしていないことを確認し、警察の方にすべてを説明し、書類もすべて提出したが、残念ながら、言葉の問題で大きな誤解が生じてしまった」とオジエは自身のSNSを通じてコメントを発表した。「これですべての問題がクリアになり、全員が一緒になって写真を撮影した。僕らは誰も傷つかなかったことに改めて心から満足している」

 オジエが接触事故を起こしたときの状況については、後続の車両から撮影された別の動画でも明らかとなっている。オジエはロードセクションで作業を行うためにマシンをバス停に止めようとしたが、その際に隣の車線を一台のBMWが後方からものすごいスピードで走って来たことに気づかず、車線変更を行ったと説明している。そのために接触事故については、双方に非があったように考えられている。

「僕らは信号のために停止線で止まったあと、ゆっくりとスタートして道路脇に停めようと思っていたら、誰かが右の車線を後ろから猛スピードで走ってきた。あまりの速さで来るのが見えず、ドアにぶつかってしまったんだ」

「その瞬間、確かに何が起こったのか理解するのに数秒必要だった。車が通過するのも見えなかったほどだ。クレイジーな状況だったよ。もちろんすぐに接触した相手の人が無事かどうかを確認したが、無事だった。彼は少しショックを受けていたが、僕たちはすべてを説明し、すべての連絡先を伝えて、『大丈夫、心配しないで、解決するよ』と言ったんだ。説明するのは少し難しかったが、その後、チームのマネージャーが来てくれてサポートしてくれたので、幸運にもラリーを続けることができた」

 オジエのヤリスの右ドアは接触事故で完全に閉まらなくなり、パネルが一部破損したため露出した衝撃吸収のためのフォームをテープで固定しなければならない状態だった。しかし、外観は悪かったが、安全上の問題がないことがFIAのインスペクションで確認されたため、オジエはラリー続行を許可されている。

「幸いなことに、ドアはそれほどダメージを受けておらず、メインのプロテクションであるロールケージも全くダメージを受けていなかった。しかし、ジュリアンにとっては少し居心地が悪かったようだ」とオジエは語っている。

「ドアには少し隙間があったため、ダストがコクピットに入ってきていたので、目にゴミが入らないようにするためスキーのゴーグルのようなものをつけてペースノートを読まなければならなかった」

「あの接触は全く予想していなかったし、かなり大きな衝撃だったので腰を少し痛めてしまった。けれど誰も大きなケガをしなかった。それが今日の最も重要なことだ」