WRC2021/04/26

オストベルグ、クロアチアで今季WRC2初優勝

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(c) LOTOS Rally Team

 タガイレーシング・テクノロジーズ(TRT)のマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 Rally2)がクロアチア・ラリーのWRC2カテゴリーを制して、今季初勝利を飾ってタイトル連覇に向けて最高のスタートを切ることになった。

 オストベルグは、ラリー初日の金曜日からロシアのニコライ・グリアジン(VWポロGTI R5)と激しいトップ争いを演じることになった。グリアジンは一度はパンクで後退したが、土曜日には不屈の速さで首位を奪還したが、パワーステアリングの不調で1分近くも遅れて優勝争いからは脱落することになった。

 オストベルグの後方2位にはテーム・スニネン(フォード・フィエスタRally2)が続いていたが、彼もまた金曜日のオフですでに50秒以上もの遅れを喫しており、最終日には大きなドラマはないかとも思われたが、慎重な走りを見せていたオストベルグはブレーキトラブルに見舞われてしまい、およそ40秒ものタイムを失いながらもどうにかマシンをゴールに導き、今季WRC2初戦で優勝を飾ることになった。

「自分でも信じられないくらいだよ。何度もマシンを止めることができず、本当に慎重に走らなければならなかったんだ。なぜこのような問題が発生したのか想像もつかないが、今はそのことは忘れよう。今年最初のラリーで優勝できたので、とても満足だよ」とオストベルグは勝利の喜びを語っている。

 MスポーツからWRC2優勝の目標を課せられたスニネンは、3つのベストタイムを奪いながらも、金曜日のミスが響いて39秒差で2位となっている。次戦のラリー・デ・ポルトガルでは、ふたたびWRカーでトップカテゴリーに戻る予定だ。

 幾度もオストベルグに挑みながらもトラブルとミスで首位を失ったグリアジンは最終日の朝もベストタイムを奪ってスタート、スニネンに11秒差まで迫っいたが、2つめのステージで転倒、リタイアとなる最悪の結末となってしまった。

 TOKスポーツのマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアRally2エボ)は、堅実な走りでスニネンから1分34.2秒遅れの3位、エンリコ・ブラッツォーリ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が27分7.6秒遅れの4位だった。

 初日の走行中に不運にもリヤコントロールアームが破損して40分もの遅れてしまったアンドレアス・ミケルセン(シュコダ・ファビアRally2エボ)は、5位におわったが、クロアチアを終えてどうにか選手権のトップを維持している。

 WRC3では、首位で最終日を迎えたカイエタン・カイエタノビッチ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が激戦となったクロアチアを制している。

 カイエタノビッチは、序盤からヨハン・ロッセル(シトロエンC3 Rally2)を追撃していたが、土曜日にロッセルが横転して戦線を離脱したあとは終始首位をキープ、2位のエミル・リンドホルム(シュコダ・ファビアRally2エボ)に1分14.6秒差をつけて優勝を飾ることになった。

 選手権ルーキーのクリス・イングラム(シュコダ・ファビアRally2エボ)は土曜日を終えて3位につけていたが、SS18でコースアウトしてスタック、ステアリングを曲げてしまったために5位に後退している。

 イングラムのトラブルで3位に浮上したのは、土曜日の波乱から見事なリカバリーを見せたロッセルだ。彼はリンドホルムから1分26秒遅れとなったものの、3位表彰台でラリーをフィニッシュ、通算48ポイントを獲得して選手権の単独トップに立っている。