WRC2019/04/29

オストベルグがアルゼンチンWRC2プロで圧勝

(c)Citroen

(c)Toyota

 ラリー・アルゼンチンのWRC2プロ選手権は、シトロエン・トタルのマッズ・オストベルグ(シトロエンC3 R5)が独走を続け、スウェーデンに続く今季2勝目を飾っている。

 土曜日にマルコ・ブラチア(シュコダ・ファビアR5)が大きなクラッシュでリタイアとなり、オストベルグは2位のガス・グリーンスミス(フォード・フィエスタR5)に対して21分あまりをリードして最終日を迎えている。オストベルグは前日に見舞われたインターコムのトラブルに日曜日も悩まされたが、この大きなマージンを守り切って勝利を飾ることになった。

「それはR5マシンにとっては長くて難しいイベントだったが、僕らは多くのことを学ぶことになった。グラベルにおけるこのクルマの開発に役立つ重要なデータをたくさん集めることができたよ」とオストベルグは語っている。

 2位でフィニッシュしたグリーンスミスは、選手権リーダーのウーカシュ・ピニオウジェックに4ポイント差に迫っている。

 プライベーターのためのWRC2カテゴリーでは、10分近い大差をつけていたペドロ・ヘラー(フォード・フィエスタR5)が最終ステージのエル・コンドルでゴールまで残り1km地点でマシンストップ、ヒヤリとさせることになったが、ファンに押しがけしてもらってコースに復帰して初優勝を飾っている。

「人生で最悪の恐怖の瞬間だった。なにが起きたかわからなかったが、赤いランプがついてアラームが鳴り、クルマのエンジンがかからなくなってしまったんだ。僕は観客たちにプッシュするように頼み、なんとか再始動することができたが、それはステージ・モードではなかった。そのようにして最後の1kmをドライブしてなんとかゴールできたんだ」とペドロ・ヘラーは語っている、

 パンクやエンジンの回転が上がらない問題に悩まされたベニート・グエラ(シュコダ・ファビアR5)は最終日もギヤボックスの問題に苦しみながら9分34秒遅れの2位、パオロ・ノブレ(シュコダ・ファビアR5)が3位で続いている。

 トヨタGAZOOレーシング・ラリーチャレンジプログラムの勝田貴元(フォード・フィエスタR5)は金曜日のホイール破損によるリタイアのあと、土曜日もパワーステアリングの故障に耐えることになったが、それでも最終日も2つのステージでベストタイムを獲得、3日間で7つのベストタイムを奪う速さをみせて4位でフィニッシュしている。