Raid2021/01/04

サインツがダカール初日リード、ローブにトラブル

(c)RedBull Content Pool

(c)Toyota

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 2021年ダカール・ラリーのオープニングステージが1月3日に行われ、昨年王者のカルロス・サインツがステファン・ペテランセルを抑えて、Xレイド・MINIチームのMINI JCWバギーが1-2態勢でスタートを切っている。

 アラビア半島で開催される2回目のダカールは、スタートの13日前にサウジアラビアの陸・海・空の国境が閉鎖されたために開催が危ぶまれていたが、ダカール主催者のアモリー・スポール・オルガニザシオン(ASO)はサウジアラビアとの話し合いによってCOVID-19の流行を抑えるために課した制限のなかで18便のダカール専用チャーター便をジェッダまで飛ばすことを特例として認めてもうらうことに成功、開催にこぎつけた。

 3日に行われたジェッダからビーシャまでの277kmの第1ステージでは、4輪部門の首位が何度も入れ替わった。カタール出身のナッサー・アル-アッティーヤ(トヨタ・ハイラックス)は、日曜日のスタート順を決定する土曜日の11kmのプロローグ・ステージで首位に立ったが、第1ステージのオープニングの37kmで3分を失い、すぐに順位を下げてしまった。

 XレイドのMINI JCWラリーを駆ったヴァイドタス・ザラが、アル-アッティーヤのあとを次いで最初に首位の座を奪った。その後、ダカールで3度の優勝経験を持つサインツとペテランセルがバギーでそれぞれ首位に立った。

 プロローグでパンクに見舞われ28番手からのスタートとなったサインツは、最後から2番目のセクションで3分以上を失って大きく後退したが、2度の世界ラリー王者でもある彼はこの日最後のステージで力強い走りを見せて22秒差をつけてステージを制した。

 これによってサインツは総合順位でペテランセルに5秒差をつけてダカールをリード。13回の優勝を果たしたペテランセルは、ステージ終盤の50kmでパンクしたためにタイムを落とした。

 MINI勢に続いて4分23秒遅れの3位でスタートしたのは、ベンジーナチームが運営するフォード・ラプターを駆るチェコ出身のマーティン・プロコップ、2分差でマシュー・セラドリ(センチュリーCR6バギー)が4位で続いている。

 PHスポールチームのプジョー3008DKRを駆るプライベーターのカリド・アル-カシミは8分34秒差の5位でこの日を終えた。

 2014年の勝者でバーレーン・レイド・エクストリームのナニ・ローマ(BRXハンター)が9分17秒遅れの6位と、オーバードライブのヤクブ・プツィゴンスキー(トヨタ・ハイラックス)が7位で続いている。

 トヨタGAZOOレーシング・チームはトップ5以内に入ることができず、ジニエル・ド・ヴィリエ(トヨタ・ハイラックス)が9分57秒遅れの8位、過去3回の優勝経験を持つアル-アッティーヤは、首位のサインツに12分30秒差をつけられて10位と出遅れているが、2日目のスタートでは10位と好位置につけていることから、巻き返しに自信を持っているようだ。

「僕たちは昨日のプロローグで勝利して道を開くことを決めた」とアル−アッティーヤは第1ステージの後に語った。

「今日はタイムを落としたかもしれないが、明日はもっと良くなるだろう。今日はミスなく良い仕事をしてフィニッシュできたことが嬉しい」

 ローマがプロドライブの運営するBRXチームからトップ10入りを果たした一方で、9度のWRC王者であるチームメイトのセバスチャン・ローブ(BRXハンター)は、3回のパンクに見舞われ、24分の大きな遅れとなった。.

 ライトウェイト・プロトタイプT3クラスは、プロローグで優勝したクリス・ミークが最後から2番目のウェイポイントでトラブルに見舞われ、クリスティーナ・グティエレスがリードしている。

 元WRCドライバーのミークは、PHスポールが用意したゼファーをドライブし、ダカール初参戦で印象的なスタートを切り、序盤はグティエレスに3分以上の差をつけてリードしていたが、車体後部からの出火によってスペアタイヤと電気系に問題を抱えてストップ、牽引車のアシスタンスを待ってビバークへと辿りついている。