WRC2021/02/21

サファリ・ラリー、2021年のルートを公開

(c)Safari Rally Kenya

(c)Safari Rally Kenya

 2021年世界ラリー選手権第6戦として6月24〜27日に開催される予定のサファリ・ラリー・ケニアがアイテナリーとルートマップを発表した。

 昨年、18年ぶりに世界ラリー選手権に復帰するはずだったサファリ・ラリーは、新型コロナウイルスの流行に伴い残念ながらキャンセルを余儀なくされている。感染の危機はいまも続いているため、今年のイベントへの疑問符は残っているものの、主催者は昨年末にはナイバシャ湖のサービスパークを1万平方メートルにわたってアスファルトで整備したほか、2月にはFIAコースデリゲートを招いてルートの最終チェックを行い、2021年の復帰にむけて準備を重ねてきた。

 1953年にエリザベス女王の戴冠を記念して誕生したサファリ・ラリーは、かつてはケニア、ウガンダ、タンザニアという東アフリカの3つの地域を横断、走行距離が5000kmを超えた時代もあり、世界でもっともタフなラリーと称されてきた。1973年にWRCが誕生したときからサファリ・ラリーはカレンダーに含まれ、最後にWRCが開催された2002年でさえそのコンペティティブセクションの距離は1000kmを超えていたほど長くタフなチャレンジだった。

 20日に発表されたラリーガイド1によれば、サファリの2021年のルートは基本的には昨年の復帰戦のために準備されたものを踏襲しており、その細部において安全性を高めるための見直しが行われているという。スペシャルステージは18SS/320.77kmとコンパクトにまとまったようにも見えるが、総走行距離は1137.48kmとなり、往年のサファリを思い起こさせるどこまでも続くサバンナのコースやラフなセクションなどがコースに設定され、かつてのようにチャレンジャーを待ち受けている。

 WRCサファリ・ラリーの最高責任者フィニアス・キマティは次のようにコメントしている。

「19年間待った後、サファリ・ラリーをWRCとして帰ってきたことに興奮している。サファリの復帰は過去の懐かしい思い出を呼び戻し、世界ラリー選手権のカレンダーのなかでひと味違った味わいを約束する。サファリ・ラリーは、そのタフで容赦のない過酷な自然を舞台にしており、昼と夜のステージが長く、予測不能な天候によって変化する大地が相手となる。サファリ・ラリー2021は、挑戦者たちに多くの驚きをもたらすことができる他に類を見ないイベントになる」

 サファリ・ラリーは6月23日木曜日の昼過ぎに、伝統に従ってKICC(ケニヤッタ国際会議場)で行われるセレモニアルスタートで開幕する。ケニアの首都ナイロビにあるKICCは、サファリ・パークホテルからスタートした1999年と2000年を除き、WRCが誕生した1973年以降、サファリ・ラリーのスタート/ゴール地点となってきた。

 オープニングセレモニーのあと、WRCサファリ・ラリー・プロジェクト・ヘッドクオーターが置かれるカサラニスタジアムの近くで行われるスーパーSSカサラニ(4.84km)で開幕、その後、クルーたちはナイロビ-ナクル・ロードをサービスパークがおかれるナイバシャ湖にむけて100kmを移動する。

 25日金曜日はナイバシャ湖の南西にあるオセレンゴニ野生動物保護区内に設けられるチュイ・ロッジ(13.34km)からスタート、往年のサファリでも長年使用されてきたラリー最長ステージのケドン(32.68km)、ふたたび西側に移動して野生動物保護区内の高速ステージのオスアーリアン(18.87km)の3ステージをサービスを挟んで2回ループする6SS/129.78kmの1日となる。

 26日土曜日はナイバシャ湖の北部に位置するエレメンテイタ湖の西部に広がるステージとなる。ドライバーたちはグレイトリフトバレーの崖の上を走るナイロビ-ナクル・ロードから眼下に広がるエレメンテイタ湖の美しい景色を見下ろしながらステージへと向かう。クラシック・サファリの舞台となってきた壮大な景色が広がるエレメンテイタ(15.00km)、ソイサンブ(20.33km)、眠れるマサイ戦士を模した丘の影を走るスリーピング・ウォリアー(31.00km)が待ち受ける。土曜日はこの3ステージをサービスを挟んで2回ループする6SS/132.66kmの1日となる。

 27日日曜日はナイバシャ湖の周辺のステージとなり、サファリの他のステージとは異なるフォレストステージのロルディア(11.33km)からスタート、主催者がWRCでもっとも素晴らしい景色だと豪語するヘルズゲート(10.56km)がそれに続き、岩場のセクションが続くマレワ(9.71km)のあとロルディアとヘルズゲートの2回目の走行が行われ、ヘルズゲートがパワーステージとして行われる5SS/53.49kmの1日となる。