チームMRFタイヤは、今シーズンのヨーロッパ・ラリー選手権の残り2ラウンドで、ヒュンダイi20 N Rally2を投入することを発表した。この新しいマシンをドライブするのは、先週、ラリー・デ・エスパーニャにおいてヒュンダイi20 クーペWRCを初めてドライブして総合8位でフィニッシュしたばかりのニル・ソランスだ。
i20 N Rally2は、昨シーズンからチームMRFタイヤが集中的に行っているタイヤ開発を目的としてERC参戦プログラムで使用しているi20 R5に代わるもので、この週末に行われるラリー・ハンガリーでは当初、ヤリ・フットゥネンがドライブする計画だった。
ソランスは先週、ラリー・デ・エスパーニャにおいてヒュンダイのWRカーを初めてWRCでドライブ、一時はMスポーツ勢を抑え、2Cコンペティションのチームメイトであるオリヴァー・ソルベルグと遜色のない走りをみせて8位でフィニッシュしており、さっそくチームMRFはスペインの才能あふれるドライバーにチャンスを与えることを決めたようだ。
チームMRFタイヤは次のように発表している。
「チームMRFタイヤはヒュンダイとともにERCで今年2回の表彰台を獲得しており、今回、新しいマシンが納車されたことにより積極的なタイヤ開発戦略を継続し、さらなるチャレンジを継続する。これはMRFタイヤとヒュンダイ・モータースポーツ・カスタマー・レーシングとの緊密な関係を再確認し、さらに強固なものにするものだ」
ラリー・ハンガリーでソランスのコドライバーを務めるのはラリー・デ・エスパーニャと同様、ベテランのマルク・マルティだ。
「ヒュンダイi20クーペWRCでラリー・デ・エスパーニャをゴールした後、このMRFタイヤとヒュンダイ・プロジェクトに参加する機会を与えられた。2021年の残りのシーズンをMRFのメンバーとして過ごすことが決まったことを誇りに思う。これからも一緒に進化し続け、MRFがすでに持っている大きな可能性をさらに示すためにがんばるつもりだ」とソランスは語っている。
「WRCスペインでは、i20クーペWRCという素晴らしいマシンで僕は子どものようにはしゃいでドライブを楽しむことができた。このマシンをスペインのスペクタクルなステージで走らせ、多くのファンに囲まれ、みんなから声を掛けられた時の気持ちは、言葉では言い表せない経験だった。チームの皆さん、本当にありがとう!」
負傷したピエール-ルイ・ルーベが療養中のため、ACIラリー・モンツァにおいて2Cコンペティションから誰がi20クーペWRCで参戦するのかについての決定はまだ保留中とされるが、スペインでソランスが示したデモンストレーションが新しいチャンスを生むかもしれないとも考えられている。
一方、チームMRFのシートを外れたフットゥネンは、水曜日にソーシャルメディアを介して、ラリー・ハンガリーでのスタートができなくなったことを短く報告している。
「僕らの計画は変更され、今週末はラリー・ハンガリーでのERCに出場しないことになった。今後の計画については追って話そうと思う。2022年がどうなるのか様子を見たいと思っている」
今季、ERCではフットゥネンをはじめ、クレイグ・ブリーン、ダニエル・ソルドがチームMRFから出場し、MRFタイヤ開発プログラムに参加している。