RallyCross2019/05/13

ティメルジャーノフがベルギーRXで悲願の初優勝

(c)FIAWorldRallycross.com

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 ベルギーで開催された世界ラリークロス選手権第3戦のベルギーRXは、3度ヨーロッパ・チャンピオンに輝いているティムール・ティメルジャーノフ(ヒュンダイi20)が初優勝を飾ることになり、マーカス・グロンホルムが代表を務めるチームGRXタネコにとっても記念すべき初優勝となった。

 ベルギーGPが開催されるスパフランコルシャン・サーキットのオールージュを使用した新しいラリークロス・サーキットでベネルクス・ラウンドとして開催されるベルギーRX。そのファイナルレースは、モンスターエナジーRXのアンドレアス・バックルド(アウディS1)がポールポジション、虫垂炎手術のために欠場を余儀なくされたニクラス・グロンホルムに代わって急遽、ヒュンダイi20のステアリングを握ることになったヨニ・ウィーマンがフロントローに並び、二人の優勝争いになるかに思われた。

 4輪ともにフレッシュタイヤを温存してスタートしたバックルドだが、1コーナーの入り口でアウト側からパスを狙って並びかけてきたウィーマンを押し出すように接触、2台がワイドにふくらむ間にグリッドの2列目から好スタートを切ったティメルジャーノフがトップを奪うことになった。

 ティメルジャーノフは順調に周回を重ね、ジョーカーラップで大きなスライドでタイムをロスしたバックルドを最終的に2秒以上引き離して初優勝を飾ることになった。2014年に世界ラリークロス選手権が誕生した前身となったヨーロッパ・ラリークロス選手権で2012-2013年に王者となっていながら、一度も世界戦で優勝を飾ることができなかったティメルジャーノフは、トップでチェッカーを受けた瞬間、大きな雄叫びを上げて悲願の初勝利を喜ぶことになった。

「やった、ついにやったよ。僕が勝ったんだ! もちろん2列目からいいスタートを狙っており、うまくいかなかったと思ったが、僕の前が突然開けたんだ」とティメルジャーノフは語った。

「これまで世界ラリークロスには64回出場したが、それらがこの日のための練習だったことがまだ信じられない。ずっとこの日を夢見てきた。チームに感謝したい。本当に信じられない勝利だよ」

 優勝争いからは脱落したもののウィーマンが、ジョーカーラップを成功させて4周目にチームSTARDのヤニ・ボウマニス(フォード・フィエスタ)を抜いて3位でフィニッシュ、初ポディウムを飾ることになった。ボウマニスは1周目の1コーナーでリアム・ドーラン(アウディS1)と接触した影響でリヤをパンクしてしまい、ティミー・ハンセン(プジョー208 WRX)にも抜かれて5位となっている。

 Q2を制して予選初日をトップで終えたドーランは、ボウマニスとの接触でサスペンションを破損、ファイナルは6位に終わっている。

 選手権リーダーのケヴィン・ハンセン(プジョー208WRX)はセミファイナルでゴール目前のジャンプでドーランと接触してマシンをコンクリートウォールにヒットしてリタイアとなったが、それでも選手権のリードをキープすることになり、選手権2位へと順位を上げた兄のティミー・ハンセンとは11ポイント差となっている。

 また、今季初出場のマティアス・エクストローム(アウディS1)はセミファイナルで敗退、ESモータースポーツのシュコダ・ファビアで出場した元WRCトップドライバーのフランソワ・デュヴァルは予選17番手で予選敗退となっている。