WRC2020/04/24

デル・バリオ、スペインでコロナ民間防衛隊に参加

(c)Hyundai

 ヨーロッパでもっとも新型コロナウイルス感染症の患者が多いスペイン出身のカルロス・デル・バリオは、感染拡大に苦しむ多くの人々を助けたいと考え、スペインの民間防衛隊に志願した。

 ヒュンダイ・モータースポーツは、毎週木曜日にホームシェイクダウンシリーズの企画として、チームに所属する選手達の近況を伝えている。今回公開されたのは、ダニエル・ソルドのコドライバーであるデル・バリオのインタビューだ。

 彼は3月中旬にラリー・メキシコから帰国したとき、母国スペインの北部がすでにロックダウンされ、コロナウイルスが猛威を振るっていることを知り、一人のボランティアとして市民活動に参加することを決意したと明かしている。

「僕たちはマスクを配り、高齢者のための買い物をし、水と次亜塩素酸ナトリウムの混合物をスプレーしてウイルスの蔓延を阻止しようとしている」とデル・バリオは語った。

「僕は一人で住んでいるので、完全にコミュニティに応じることができる。素晴らしいことに、僕の村では、すべての人が互いに助け合っている。ここにはたくさんの農家がいるが、高齢者も多いので、最も重要なことは、彼らが孤独を感じないことだ。自分が役に立っていると感じることは、僕自身の心の助けにもなっている」

「プロのスポーツマンとして勝ちたいのであれば、普段はとても利己的でいなければならない。でも今は完全に反対だ。僕たちは人々のために役立ち、自身だけでなく他の人々についても考えなければならない」

「ここ数週間で状況はさらに悪化したが、ようやくトンネルの終わりの光が見え始めた」

 デル・バリオは部隊の仕事を終えたあとは、本を読んだり学ぶ時間を持てることを喜んでいる。

「僕は勉強を習慣にしたんだ。言語が好きなので、学ぶ時間がある今は良い機会だ。僕のフランス語とイタリア語は、昨年はあまり好ましくなかったので、上達を目指している。英語も勉強中だ」

「もちろん、次のラリーの準備にも時間を費やしたかったが、しかし、それがどのラリーになるかわからないので、やることはあまりない。メキシコから戻ったとき、僕はサルディニアに向けて準備を開始する心づもりができていたが、今は今後がどうなるかを待たなければならない」

 マラソン好きのデル・バリオは、ラリーをふたたび走る日のためにフィジカル面を維持するために、自宅のルームランナーで走っている。そしてもちろん、彼はソルドやヒュンダイ・モータースポーツの同僚とも連絡を取り合っている。

「2-3日ごとに(チーム代表の)アンドレア・アダモからWhatsAppメッセージが届いている。またチーム内のドライバーとコドライバー、そしてもちろんダニとも、複数のチャットグループがある。そうでなければ、僕は退屈していただろう」

「僕たちは集中力を切らさず維持する必要がある。いつ物事が通常に戻ってもいいように、それが何であれ取り組む準備をしなければならない。今同様、世界で最高のチームとして選手権に戻るためにね」

「世界中のファンのために、僕たちは戻ってくる。それができるだけ早いことを願っている。僕たちは前向きでいなければならない」