WRC2019/09/07

トヨタ、悪路トルコで今季6勝目を目指す

(c)Toyota

 ラリー・ドイッチュランドで初の1-2-3勝利を達成して波に乗るトヨタGAZOOレーシング・ワールドラリーチームは、シーズンでもっとも荒れた路面のグラベルラリーとなるラリー・トルコにおいて2年連続優勝とシーズン6勝目を目指す。

 地中海に面したリゾート地、マルマリス周辺の山岳地帯を中心に行われるラリー・トルコは、バンピーで大きな石が転がるなど非常に荒れた路面をもち、昨年は多くのドライバーたちがクルマに大きなダメージを負っている。気温も非常に高く、ツイスティなコーナーが続く低速セクションでは、ラジエーターに当たる風の量が少なくなるためエンジンの温度が上がりやすくなり、駆動系やブレーキにとっても過酷な条件となる。

 トヨタは昨年、ヤリスWRCの冷却系に大きな改善を施し、想定した以上に路面が荒れていたことからパンクや足まわりの破損などトラブルを避けるべくテストでは試したことがないほどに車高を上げ、堅実な走りを続けた結果、オイット・タナクが優勝、ヤリ-マティ・ラトバラが総合2位に入り、チームにとって初となる1-2フィニッシュを飾っている。

 トヨタは前戦ドイツでの表彰台独占でマニュファクチャラー選手権においてヒュンダイに8ポイント差に迫っており、ラリー・トルコはタイトル争いでも重要な意味をもつことになる。チーム代表のトミ・マキネンは、純粋なスピード以上に耐久力が求められ、サバイバルラリー的な側面が強い1戦といえるラリー・トルコを制するためにハードに準備を進めてきたと語った。
 
「ラリー・ドイッチュランドの信じられないような結果により、我々のモチベーションは非常に高い状態にあるが、ラリー・トルコはまったく別のチャレンジとなるだろう」とマキネン代表は語っている。

「何よりもクレバーさが求められる1戦だし、昨年はクレバーに戦ったからこそ素晴らしい結果が得られた。もちろん今年もその再現を試みるつもりだが、そう簡単には行かないだろう。厳しいコンディションに対応できるようなクルマに仕上げることが非常に重要だが、性能に関しても少し上げたかったので、我々はこのラリーに向けてとてもハードに準備を進めてきた」