WRC2019/08/25

トヨタ、26年ぶりポディウム独占なるか

(c)Toyota

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 ラリー・ドイッチュランドの土曜日、トヨタGAZOOレーシングWRTはオイット・タナクが首位をキープ、3年連続勝利にむけて快走するとともに、クリス・ミークが32.4秒差の総合2位に、ヤリ-マティ・ラトバラも総合3位に順位を上げ、トップ3をヤリスWRCが占めることになった。

 トヨタは2017年の世界ラリー選手権復帰後、これまで1-2-3勝利を達成してことはなく、最終日は、1993年のサファリ・ラリー以来となるポディウム独占を目指す。

 土曜日はタナクとティエリー・ヌーヴィルの激しい首位争いで始まったが、勝負どころになると見られていたバウムホルダーのステージでヌーヴィルがパンク、タナクがリードを拡大するとともに首位の座を確かなものとした。また、SS13では、総合4位につけライバルと表彰台争いを続けていたミークが総合2位に、総合5位につけていたラトバラが総合3位に順位を上げ、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムにより、今回初めてヤリスWRCでWRCに出場している勝田貴元も全てのステージを堅実に走破、SS14ではタイヤのエアー抜けに見舞われたが、落ち着いて対処して総合10位に順位を上げており、明日の最終日は初のポイント獲得を目指す。

 トミ・マキネン代表は素晴らしい仕事をしたドライバーたちを称賛している。

「チーム全体にとって素晴らしい1日となった。軍事施設内のステージは非常に重要でしたが、我々の全ドライバーは称賛に値する仕事をした。重要だったパンツァープラッテでも何も問題がなく、クルマも非常に速かった。3台とも非常に良い順位につけているし、選手権争いにとっても有利な展開だ。とはいえ、明日も難しいブドウ畑のステージが続くので、最後まで気を引き締めて臨まなければならない」

 タナクは、バウムホールダーのステージですべての石を避けながら走るのはプレッシャーだったと語った。

「今朝は本当に限界近くまで攻めたが、ミスをせずクリーンな走りをすることも忘れてなかった。午後のバウムホールダーのステージは今年非常にトリッキーだったので、特に2回目の走行は順位を守ることだけを考えて走った。ステージはとても荒れていて、石が多く転がっていたので、それを全て避けるのは苦労だった。大変なプレッシャーを感じたが、ベストを尽くし何とかクリアした。チームも戦況を上手くコントロールできているし、明日は全員が力を合わせて戦えば、最後までこの順位を保ち続けることができると信じている」

 ラトバラは、マキネン代表からの電話のおかげでリラックスして走ることができたと明かした。

「全体的にとても良い1日でした。今朝はブレーキングのことを気にし過ぎて少しフラストレーションが溜まったが、2つ目のステージを走り終えた後、トミ(・マキネン代表)から電話がかかってきて『落ち着いてリラックスして走れ。慌てる必要はないし、ただ運転に集中すれば良い方向に向かうから』とアドバイスされた。その後状況は少しずつ良くなり、担当エンジニアのタービのお陰もあってクルマのグリップレベルが上がり、午後はとても良いフィーリングで走れた。今、何よりも重要なのは、チームに最大ポイントをもたらせるように集中することだ」

 メキシコ以来、表彰台から遠ざかってきたミークだが、明日もチームのためにこのポジションを守り抜くと誓っていた。

「今朝のステージはあまり良く知らなかったので、少し不安だった。それだけに、最初のステージを走り終えて総合3位のライバルと3秒差だったので安心した。午後のパンツァープラッテは、状況が一気に変わる可能性があったが、良いペースで走ることができた。クルマの仕上がりは特に素晴らしく、パンツァープラッテの2回目の走行に向けてもセットアップをまったく変えなかったし、1走目よりもさらにタイヤのグリップに自信を持って走ることができた。チームにとっては完璧な展開だが、明日のステージは日曜日としては比較的長いので、この順位を守るため最後まで戦い続けなければならない」