WRC2020/09/18

トルコは鋭く尖った石が転がる凶悪なステージ

(c)Toyota

 シーズン最速ともいえる前戦のラリー・エストニアからもっとも低い平均速度をもつラリー・トルコへと世界ラリー選手権の舞台は変わるが、トルコのステージはただ遅いだけではなく多くの鋭く尖った石が転がる凶悪なコンディションをもち、気温も30度を超える猛暑のなかで行われるため、マシンやドライバー、そしてタイヤにとってもシーズンでもっとも試練を要求する。

 ミシュランは、ラリー・トルコにおいてグラベルタイヤのLTXフォースのハードコンパウンド(H4)をファーストチョイス、ミディアム(M6)をセカンドオプションとしてノミネートしており、WRCドライバーへの割り当ては、ハード(H4)が24本、ミディアム(M6)が16本となり、そのうち24本が本番で使用可能となる。

 ラリー・トルコでのタイヤの使用本数は、イベント規定に基づき(モンテカルロを除く)各イベントともタイヤ交換回数x 4本に4本のスペアを加えた数が基本となっていたが、あまりにもラフなコンディションであるため2年続けて例外ともいえる8本のスペアを認め、2018年と2019年は本番でのタイヤ使用本数は28本が許されてきた。しかし、走行距離300kmを超えていた昨年より88kmも短いショートフォーマットの二日半として開催される今季についてはタイヤ交換の回数が同じ5回が設定されたため、4本のスペアを加えて最大で24本の使用が認められたようだ。

 ミシュラン・モータースポーツのWRCプログラムマネージャー、アルノー・レミーは荒れたトルコの戦いではスタートからフィニッシュまで賢明なタイヤマネージメントが重要となると分析している。

「ラリー・エストニアが高速でスムーズなステージで行われたあと、WRCはマシンにもタイヤにもシーズンで最もタフなステージをもつラリー・トルコを迎えることになる。ムーラ地方の気候は例年どおり猛暑が予想されており、グラベル路面はかなりラフで石だらけの荒れたコースになる。ラリー・トルコはマルマリス近郊ではこれまでに2回開催されており、WRCチーム陣もミシュランのテクニシャンも、タイヤの摩耗率や2回目のループにむけてステージがどのようなコンディションに変化するのか十分に理解している。ミシュランのハードコンパウンドにとっても厳しい戦いとなり、スタートからフィニッシュまで賢明なタイヤマネージメントが重要となる」