WRC2019/09/13

トルコ初日、ヌーヴィルとミケルセンが首位

(c)Hyundai

(c)Toyota

 2019年世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・トルコは、木曜日の夜にマルマリス・ハーバー近くの市街地で行われたナイトステージで開幕、ヒュンダイ・モータースポーツのティエリー・ヌーヴィルとアンドレアス・ミケルセンが同トップタイムで並び、2台のヒュンダイi20クーペWRCが初日をリードすることになった。ミケルセンは2年連続で木曜日のトップスタートだ。

 すでに陽は落ちて暗くなっており、照明に浮き上がったマルマリス・ハーバーの全長2kmのオープニング・ステージにラリーカーはナイトポッドを装着して向かうことになった。

 一時的に夜霧が舞ったこともあり、石畳の路面はところどころ湿っているようにも見え、タイトターン、ラウンドアバウトのドーナツ、ジャンプスポットなどが組み合わされた狭いステージはグラベルタイヤを装着したラリーカーにとってはいっそうトリッキーなコンディションになるなか、ミケルセンはWRカー勢でトップで走ったポントゥス・ティデマンド(フォード・フィエスタWRC)のタイムを1.7秒も上回るトップタイムをマーク、さらにその後方から走ったヌーヴィルもミケルセンと同タイムで初日のオーバーナイトラリーリーダーとして肩を並べることになった。

「素晴らしいステージではなかったが、OKだった。いくつかの場所ではもっと速くいけたが、ラリーもここで失う可能性があるからね。明日は長い一日だ、明日が本当のラリーの始まりだ」と、好タイムで首位に立ったにもかかわらず、ミケルセンはステージエンドでは不満そうな表情をみせた。

 選手権のためにもここで良い結果を残したいヌーヴィルにとっては幸先のいいスタートになった。「タイムを失うかと思っていたが、本当にハードにプッシュしたのでいいステージだったよ」と語り、タイヤの皮むきをしてステージに挑んだライバルたちを上回ることができたことに満足したように笑みをみせた。

 2月のラリー・スウェーデン以来のWRカー参戦のティデマンドは初日のリーダーを惜しくも逃して1.6秒差の3位でのスタートになったが、「僕にとっては経験を蓄えるために走り切ることが重要になる。明日からもトリッキーになるが、しっかりと仕事をする必要がある」と浮き立つ気持ちを抑えるかのように冷静にコメントしている。

 ティデマンドから0.1秒差の4位には、セバスチャン・オジエ(シトロエンC3 WRC)が続いている。昨年のこのステージで彼はジャンプ台で姿勢を乱してフェンスに接触する波乱のスタートを切ったが、ここではクリーンな走りで無難なタイムにまとめてみせた。「もちろん過酷なコンディションでの明日からが勝負だが、あまりプレッシャーを感じてはいないようだ。ただ良い仕事をするしかない」

 オジエの0.3秒後方の5番手にはシェイクダウンでトップタイムを奪ったクリス・ミーク(トヨタ・ヤリスWRC)、3.9秒差の6番手にはエサペッカ・ラッピ(シトロエンC3 WRC)が続いている。

 いっぽう、ヌーヴィルを33ポイント引き離してドライバーズ選手権をリードするオイット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は、明日からの本格的な戦いを前に、この短いステージはミスなく走りきると割り切ったようだ。彼は狭くなってエアロをすりそうになるシケインやタイトターンでレッキを行っているかのようなセーフティなペースまでスローダウン、首位からは4.2秒遅れの7番手タイムに終わっている。「すべては明日からだ。どうなるか様子をみるよ。できることをやって様子をみるだけだ」と冷静なコメントを残している。

 明日の金曜日は、ラリー最長となる38.15kmのチェティベッリ・ステージの2回の走行を含む6SS/159.14kmの一日となる。2回目のループではかなり路面が荒れると見られているほか、天気予報は雨の可能性を伝えており、早くも波乱のドラマのムードが立ちこめている。