WORLDWIDE2021/08/30

パストラーナ、6度目アメリカ・タイトルに輝く

(c)subaru.com/rally

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 8月27〜28日にミネソタ州のデトロイト・レイクスで開催されたオジブウェ・フォレストラリーでスバル・モータースポーツUSAのトラヴィス・パストラーナ(スバルWRX STI)が優勝を飾り、2021年のアメリカン・ラリー・アソシエーション(ARA)のタイトルに輝いた。

 パストラーナは今季、開幕戦スノ*ドリフトラリーの勝利のあと、100エーカー・ウッド・ラリー、オリンパス・ラリーで連勝してシーズンをスタート、先週末に行われた第6戦のオジブウェ・フォレストラリーでケン・ブロック(スバルWRX STI)に30秒以上の差をつけて今季4度目の勝利を飾り、2戦を残してARAタイトルを獲得した。パストラーナにとって、2017年にオジブエで初めてのタイトルを獲得して以来、6度目の米国タイトル獲得であり、コドライバーのリアノン・ジェルソミーノにとっては初の米国タイトルとなった。

 選手権のライバルであったバリー・マッケンナが仕事の問題でオジブウェ・フォレストラリーを欠場し、さらにチームメイトのブランドン・セメヌクも彼のスバルWRX STIをクラッシュさせてしまったため出場を断念することになった。パストラーナは前戦ニューイングランド・フォレストラリーの最後から2番目のステージでクラッシュを喫していただけに、この週末はクラッシュすることなく彼のスバルWRX STIをフィニッシュさせることが重要だった。

 オジブウェ・フォレスト・ラリーの初日、パストラーナは、ウェットコンディションの中でタイヤを多めにカットした戦略がうまくいき、さらに有名なクロスロードステージを熟知していたこともあり、わずか2ステージで2位につけるフーニガン・レーシング・ディビジョンのブロックに対して40秒近くのリードを築くことに成功、8つのステージを完全に制覇し、1分04秒のリードを築くことに成功する。

 ブロックも最終日、2つのステージで連続してベストタイムを奪って逆襲、朝のループを終えてパストラーナとの差を59.8秒へと縮め、さらに午後のループでも2つのベストタイムを奪ってみせたが、パストラーナはチャンピオンにふさわしい安定したペースを刻んで、33.6秒というマージンを残して逃げ切って勝利することになった。

 パストラーナはこの勝利でチームメイトのセメヌクに対して105ポイントの差をつけた。ブロックは今季3度目となる2位を獲得したが、開幕ラウンドを欠場し、最終ラウンドも欠場する予定のため、すでにタイトル争いから外れており、唯一人チャンスを残すセメヌクがもし残りの2ラウンドで勝利したとしても、獲得できるポイントは最大104ポイントとなるため、パストラーナの2017年以来4年ぶりとなる6度目のアメリカ・タイトルが決定した。

「ほっとしたよ。ブランドン(・セメヌク)がテストで横転したことで、失敗してはいけないというプレッシャーがあった。しかし、最終的にはケン(・ブロック)と素晴らしいバトルができたので、それを乗り越えることができた」とパストラーナは語った。

「本当に感激だよ。チャンピオンシップは素晴らしい。多くの仕事とチームワーク。彼らの努力、リー(コドライバーのリアノン・ジェルソミーノ)、その他すべてに感謝している」

 ライアン・ブース(シュコダ・ファビアR5+)は、これまでのラリーでも好調なペースを見せていたが、このラリーで自身初めてのARA表彰台を獲得した。2001年の世界ラリーチャンピオンであるリチャード・バーンズの名づけ子であるトム・ウィリアムズ(フォード・フィエスタRally2)は、アメリカでのラリーは初めてだったが、ラリー終盤にはでペースを上げてステージタイムのトップ3を連発した。しかし、惜しくもブースには届かなかった。