WORLDWIDE2019/08/21

パッドンのヒュンダイEVラリーカー計画が始動

(c)Hyundai NZ

 ヘイデン・パッドンが代表を務めるパッドン・ラリースポーツ・グループ(PRG)は、ヒュンダイのコンパクトSUV、コナをベースとしたEVラリーカーを開発していることを発表した。

 ヒュンダイ・ニュージーランドの支援を受けるパッドンは、昨年、ニュージーランド選手権のラリー・コロマンデルのレッキをヒュンダイの市販電気自動車、コナ・エレクトリックで行っている。

 しかし、パッドンが開発を進めるコナEVラリーカーは、市販のコナ・エレクトリックをベースとしたものではなく、すべてのコンポーネンツを競技専用に作り直し、電力のみでラリー全体を走りきることができる最初のラリーカーになることを目指す。

 パッドンは、ヒュンダイ・ニュージーランド、カンタベリー大学、すでにラリークロスの電気ソリューションを提供することが明らかになっているマンフレッド・ストールのチームであるチームSTARDと協力してこのマシンの設計を開始しており、2020年4月に初テストを行うことを目指している。

 パッドンは、ニュージーランドのセントラル・オタゴにホームを置くパッドン・ラリースポーツに代替エネルギー・モータースポーツ部門AEMDを立ち上げ、コナEVラリーカーの開発を行うことを発表した。

「パフォーマンスの面では、この車は目を見張るものになる」とパッドンは語った。

「代替エネルギーの動力装置は、消費者に焦点をあてた自動車部門で急速に進化しているが、モータースポーツにおける開発はそれほど普及しておらず、ラリーもその例外ではない」

「しかし、考えれば考えるほど、主要なマニュファクチャラーが技術を目標に合わせれば、電気によるトップレベルのラリーにも実現の可能性があると思えてきた」

 WRCは2022年にハイブリッドテクノロジーを導入する予定だ。パッドンはそれまでに電気ソリューションの第2段階に進むことを計画している。
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「すでに存在するいくつかのEVテクノロジーから、パフォーマンスはすでにある。一部のマシンは最大1000bhpまで持っている」とパッドンは語った。

「例えばグラベルやグリップの低い状況でのトルクベクタリングや、丸一日のラリーを完了するために必要な航続走行距離など、ラリーでそのパフォーマンスをどう活用するかという問題だ。さらにチャージングシステムなどサーキットレースと比較してもより多くの課題があるが、これらの要素の解決策が見つかれば、その多くは一般の道路利用者やEV自動車の所有者にも適用されるだろう」

 コナEVラリーカーは来シーズン、ニュージーランド国内のイベントを走り、2021年に向けて航続走行距離を拡張した第2のプロトタイプが計画されている。

 パッドンは先日、NZの電力供給会社YES Powerとの長期契約を発表した。この契約は、新しいプロジェクトとともにWRCに戻るという彼の希望の両方に役立つと見られている。