WRC2021/05/07

ヒュンダイ、ロリオーの技術アドバイサー契約発表

(c)M-Sport Ford

 ヒュンダイ・モータースポーツは、Mスポーツで18年にわたってトップデザイナーとして活躍してきたクリスチャン・ロリオーを新たに外部のテクニカル・アドバイサーとしてチームに迎えることになったと明らかにした。

 ロリオーは、技術的なコンサルタントとしてすでにアルゼナウの開発チームに加わり、2022年の投入にむけて準備が進められるヒュンダイi20 N Rally1カーの開発プロジェクトをサポートするという。

 ヒュンダイ・モータースポーツのスポークスマンは次のように語った。

「クリスチャン・ロリオーは外部のテクニカルアドバイザーとしてチームに加わり、5月3日にアルツェナウで仕事を始めた。彼はいまの技術チームに助言を与えることになり、主に2022年シーズンにむけた我々のマシンの開発に集中することになる。彼の技術的な知識と判断は、きっと私たちのプログラムを力強いサポートとして歓迎されるはずだ」

 Mスポーツのマネージングディレクターを務めるマルコム・ウィルソンは、Mスポーツの栄光を築いてきたトップデザイナーであるロリオーが離脱することでMスポーツ・フォードのRally1プロジェクトへの影響がないことを明言、今後もロリオーはベントレーのGT3のレースプロジェクトでMスポーツとの作業を継続することになると語った。

「クリスチャンは18年以上にわたってMスポーツにとってかけがえのない存在だった。しかし、彼はヒュンダイにおいて2022年のWRCプログラムのためのコンサルタントを務めることになった」とウィルソンは語った。

「クリスチャンがヒュンダイ・チームにとって素晴らしい資産になることは間違いないが、Mスポーツにとってもクリスチャンとの旅はこれで終わりではない。彼は引き続き我々のレーシング部門で働き、ベントレー・モータースポーツのGT3のプログラムに参加することになる」

「Mスポーツ・フォードのWRCプログラムは最近では責任者であるクリス・ウィリアムズと彼のチームが主導してきた。しかがってクリスチャンの今回の変更による我々の開発プログラムに影響することはない」

 ロリオーがMスポーツで取り組んでいる最新のプロジェクトは、バイオ燃料にも適合したコンチネンタルGT3によるパイクスピークへのレースプログラムとなる。ウィルソンは新しい評価センターの施設のなかでラリー部門とレース部門は完全に分離された環境で作業することになるため、セキュリティは守られると考えているようだ。

「クリスチャンとは20年来のつきあいで、Mスポーツにとっては家族の一員だ。彼と私の素晴らしいこの関係が今後も続くことを願っている」