WRC2021/06/08

ヒュンダイのマシンに解決すべき根本的問題?

(c)Hyundai

 先週末のラリー・イタリア・サルディニアにWRC All Liveでコメンテーターとして解説をしているクリス・ミークは、オイット・タナクがラリー・デ・ポルトガルに続いてまたも走行中にサスペンションを破損してストップしたことは不運な出来事ではなく、マシンの強度かセットアップに関してすぐにでも解決しなければならない問題をはらんでいるとの考えを示した。

 タナクは2週間前のポルトガルでも首位を走行中に突然、リヤサスペンションを壊してマシンを止めており、先週のサルディニアでも40秒をリードしていたさなかでレーシングラインに転がっていた岩をヒットしてリタイアとなっている。

 サルディニアではとくに2回目のループではかきだされた無数の石とむきだしになった硬くとがった石がさまざまな問題を引き起こしている。タナクがマシンをとめる原因となった岩はセバスチャン・オジエも避けきれずにヒットしているが、幸運にも大きなトラブルには至らず優勝を飾ることになった。

 しかし、ミークはこのトラブルは運の問題やドライバーのミスに起因するものではないと語っている。

「ヒュンダイは少し頭を悩ませる必要がある。単に傍観して、それを不運のせいにするわけにはいかない。2つのラリーを連続して支配するペースをみせながら、両方の機会で明らかなドライバーのミスはなかった」

「正直に言って、石はそんなに大きくない。僕からすると、その大きさの石がホイールを外すことは考えられない。外側のホイールがサイドウォールにぶつかったらパンクくらいはするかもしれないが・・・。私がオイット・タナックだったら、質問するだろう」

「残念な状況だ。誰もそれが起こることを望んでいない。全員がベストを尽くしているが、さっきも言ったように2戦続けて起きたので、彼らは何かをしなければならない。推測することしかできないが、2つのイベントで続けて起こるのは偶然ではない」

 ヒュンダイは前戦ポルトガルでもタナクになにが起きたのかについて公式に発表を行っていないし、今回もそうなるだろう。しかし、ミークはヒュンダイが優秀なチームであり、問題の解決を必ず図るだろうと予想している。

「タナクも似たようなことを考えていることは間違いない。もちろん彼はこのようなことを望んではいないだろうが、こうしたメカニカルトラブルに見舞われるのは今シーズンが初めてではない。これについての疑念はある」

「しかし、間違いなくヒュンダイは解決するために調査を行うだろうし、すでに開始しているだろう。過去2回のマニュファクチュラータイトルを獲得したトップチームだ。弱いクルマでそれを成し遂げることはできない。問題を解決する力がチームにあるのでそれを成し遂げたのだ」