WRC2023/05/17

ヒョンデ、またもあと一歩勝利に届かず

(c)Hyundai

 ヒョンデ・モータースポーツは今季いまだ未勝利だが、チーム代表のシリル・アビテブールは、ラリー・デ・ポルトガルでのダブル表彰台という結果をふりかえり、i20 N Rally1がもうあと一歩のところにあると認めている。

 ヒョンデは、先週末に行われたポルトガルでは安定した走りでダニ・ソルドとエサペッカ・ラッピが表彰台を獲得、トップレベルのパフォーマンスをアピールすることになった。しかし、その一方でティエリー・ヌーヴィルはマシンへの手応えを感じることができず、さらにターボトラブルで5位に終わっており、ヒョンデは今季5戦を終えていまだ勝利を飾ることができていない。

「クルマはもうそこまで来ている」とアビテブールは語っている。「カッレ(・ロヴァンペラ)が非常に速いドライバーであることは分かっているし、彼が土曜日の最後に1分のアドバンテージを築いた時、それを取り戻すことはとても難しかった」

「私としては、満足するにはその差は大きすぎるものだった。このクルマでそれをどうにか1kmあたり0.2あるいは0.3秒くらいまでにできるかどうかということになってくるが、それは簡単な仕事ではない」

「クルマはしっかりとしたオールラウンドカーだが、もう一歩進化させたい。アイデアはいくつかある。今はそうしたアイデアを実行に移すことを加速させていくことが必要だ」

 ソルドは、トヨタのカッレ・ロヴァンペラに抜かれるまで、序盤にラリーをリードしている。彼の速さはアビテブールから称賛を受けている。

「この週末、ダニは時に素晴らしい走りを見せていた」とアビテブールは語っている。「それこそが我々が見たいダニであり、我々を笑顔にしてくれるダニなんだ。彼は安全で懸命な走りを心がけ、フィニッシュまで走り切ってくれた」

「エサペッカに関しても同じだ。彼は素晴らしい仕事をしてくれたし、盤石だった。今彼は、クルマにも本当に慣れ親しんできている」

 ヒョンデにとっては土曜日の夜と日曜日にヌーヴィルに起きたターボの問題が、彼だけでなくラッピにも起こったことはミステリアスだ。シリル・アビテブールは、この問題について調査を行うことを明言している。

「ターボの問題は明らかにティエリーの結果には大打撃を与えた。我々はまだ限られた情報と理解しか持っておらず、マシンを解体して何が起こったかを正確に調査するつもりだ」

「ティエリーについては、土曜日の夜のサービスでターボへの接続に何らかの問題があったと推測されるが、我々がもっと理解しなければならないのは、エサペッカのパワーステージの最後での問題だろう。私たちが想定していたものではなかったので、調査しなければ安心できない」