WORLDWIDE2021/03/08

フィエスタRally3がフィンランドでラリーデビュー

(c)M-Sport Poland

 ケン・トルンは先週末、SM O.K.オート・ラリーにMスポーツ・ポーランドが製作したフォード・フィエスタRally3をデビューさせ、Rally3カーで初めて実戦に参戦したドライバーとして歴史に名を刻んだ。

 このFIAの次世代マシンは、4輪駆動ラリーカーのコストダウンを目的として新たに誕生したもので、フィエスタRally3は最初のマシンとなる予定だ。すでにフィエスタRally3のホモロゲーションの作業は完了しており、今月末までに最終承認がされる予定だが、フィンランド・ラリー選手権はホモロゲーションのないマシンのエントリーを認めるため、ERCジュニア選手権でこのマシンを駆る予定のトルンが、いち早く3月6日に行われたSM O.K.オート・ラリーで実戦デビューを果たすことになった。

 トルンはコドライバーのティモ・タニエルとともに総合11位という好成績を収めただけでなく、フィエスタRally3のペースと可能性、そしてカテゴリー全体の可能性を示す多くの注目すべきステージパフォーマンスを披露した。14.37kmのSS4では、Rally2マシンのペースセッターからわずか18秒遅れでフィニッシュした。

「ラリーは熾烈だった」とトルンはその後、Facebookに書いている。「最後のステージは大雪の降る中で、少なくとも5〜10センチの雪が新たに積もったため、非常に困難だった。SS5ではスピンでタイムを失ったが、最終的にはマシンをきれいにフィニッシュさせることができ、チームは我々のパフォーマンスに満足しているようだった」

 SM O.K.オート・ラリーは終盤で道路に深い雪が積もったことから先頭ランナーたちがクリーニングする作業に苦戦するなか、TGSワールドワイドのミッコ・ヘイッキラ(シュコダ・ファビアRally2エボ)が、長いキャリアで初優勝するというサプライズの結果となっている。朝のループをトップで折り返したユハ・サロ(シュコダ・ファビアRally2エボ)も雪かきに苦しみ、1分11秒差遅れの2位となっている。

 ロヴァニエミで行われたアークティック・ラリー・フィンランドにおいてWRC3初優勝、フィンランド選手権今季2勝目を飾ったテーム・アスンマー(シュコダ・ファビアRally2エボ)は先頭ランナーとしてもっとも不利な状況のなかで苦しんで7位に終わっており、選手権はサロが新しいリーダーとなっている。