WRC2021/05/30

フィンランド、史上最短287kmの2日半の日程へ

(c)Toyota

 ラリー・フィンランドを主催するAKKスポーツは、世界ラリー選手権第10戦として9月30日から10月3日まで開催されるラリー・フィンランドのアイテナリーを発表した。誕生から70周年を記念して行われる今年のイベントは、史上初めて300kmを切ることになり、実質2日半で19SS/287.11kmを走るコースが設定されたが、クラシックステージの復活やナイトステージなど新たなルートを設定して2年ぶりの世界ラリー選手権を歓迎する。

 1951年にユヴァスキュラン・スーラヨット(ユヴァスキュラの大レース)として誕生したラリー・フィンランドは、1973年に世界ラリー選手権が誕生してからこれまで10月以降のシーズン終盤に開催されたことはなく、史上初めての秋開催となる。フィンランド政府がCOVID19の感染拡大を防ぐために、夏の間は観客を集めたイベントを禁止する可能性があることを受けての決定だったが、ラリー・フィンランドのクラーク・オブ・コースを務めるカイ・タルキアイネンは、それによって日照時間が短くなったためステージについても観客を惹き付けるものにする必要があったと説明している。

「70周年記念を迎えるラリー・フィンランドのルートを発表できることを大変嬉しく思う。秋という新しい日程に完全に適合するようにコースはデザインされており、関係者が設定したニーズやファンの期待に応えるべく、主催チームは懸命に取り組んできた」とタルキアイネンは語った。

「今回は4日間ではなく3日間の開催になるが、可能な限り多くのステージと競争力のある距離を確保した。ファンにとっても新鮮で楽しんでもらえるようにするために、ルートにもいくつかの変更を加えることになった」

「ルートは、コロナウイルスのパンデミックに関連するフィンランドおよび地域のガイドラインに従って作成されたものだ。もちろんファンがいない状態でイベントを運営する余裕はないが、COVID対策やワクチン接種プログラムが進むことによってラリーが計画通りに実施されることを確信しているよ」

 ラリー・フィンランドのラリースケジュールは例年どおりにユヴァスキュラに近いヴェサラ(4.04km)でのシェイクダウンで始まるが、シェイクダウンは木曜日ではなく、金曜日の朝に行われることになり、さらにこれまでとは逆方向での走行として行われる。

 10月1日金曜日の朝8時からシェイクダウンが行われたあと、昼過ぎにユヴァスキュラのパヴィリヨンキでのスタートが行われ、それに続いて市街地で行われるハルユ(2.31km)でラリーは開幕する。そのあと2019年の年のリバース方向に走るアッサマキ(12.31km)、1977年から1993年にかけて使用されたクラシックなサーロイネン・ステージのコースをアレンジし、おなじみのモクシ・ステージへとつなげたサーロイネン〜モクシ(21.37km)の2ステージを走ったあと、ペタタヴェシに設けられたタイヤフィッティングゾーンでのタイヤ交換のみで、アッサマキ、サーロイネン〜モクシの2ステージをループし、さらにナイトステージとして行われるオイッティラ(19.75km)を走り、初日は6SS/89.42kmの一日となる。

 2日土曜日は、9SS/151.95kmが行われるラリー最長の一日となる。フィンランドを象徴するステージであるオウニンポウヤの一部を含むカカリスト〜ハッシ(18.17km)、3年前にカッレ・ロヴァンペラの劇的なリタイアの舞台となったパイヤラー(22.61km)、1994年以来となる新しいアルヴァヤ(13.49km)、以前に使われたヴァヘリとヒモスのステージの一部を組み込んだパタヨキ(20.55km)の4ステージをパヴィリヨンキのサービスを挟んで午後には2回目のループを走ることになり、締めくくりとして初日と同様にハルユの市街地ステージを走ることになるが、こちらは暗闇のなかで行われることになる。

 3日日曜日は、ユヴァスキュラの北側に位置するラウカー(11.75km)とルーヒマキ(11.12km)というフィンランドを代表するスリリングな2つのステージをノーサービスで2回ループする4SS/45.74kmという短い一日となり、2回目のルーヒマキがパワーステージとなり、ラリーカーはラウカー・アリーナでの大きなジャンプでフィニッシュを迎える。