トヨタGAZOOレーシングのカッレ・ロヴァンペラは、ラリー・エストニアでこれまでチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラが保持してきた史上最年少でのWRC初勝利記録を破り、20歳のWRCウィナーに輝き、まさしくフライングフィンの継承者としてWRCの歴史にその名前を刻むことになった。
ラリー・エストニアでのロヴァンペラの勝利は、フィンランド人ドライバーの180回目の勝利となった。これはラトバラが2018年ラリー・オーストラリアで飾った彼にとっての最後となった勝利以来、実に2年8カ月ぶりのフィンランド人ドライバーによる勝利となり、WRCにふたたびフィンランド全盛期をもたらす最初の勝利となったと期待されている。
WRCの歴史は1973年モンテカルロでフランス人ドライバー、ジャン-クロード・アンドルエの勝利とともに始まったが、すぐにフィンランド人ドライバーがシーズンを席巻するようになった。フィンランド人はこれまでに13度もドライバーズタイトルを獲得しており、フィンランド人ドライバーのWRC優勝を誰も阻止できない時代もあった。
実際、1996年から2002年までの7年間で6回のタイトルがフィンランド人の手に渡ったが、セバスチャン・ローブの登場がフランス時代をもたらし、2002年以降、フィンランド人のワールドチャンピオンはこれまで18年にわたって途絶えている。
さらにセバスチャン・オジエは勝利数においてもフィンランド全盛期に完全にとどめを刺すことになった。2015年サルディニアの勝利によってフランスは勝利数においてフィンランドと173勝ずつで並ぶことになったが、それ以降もフランスは着実に勝利数を伸ばしてきた。1973年のWRC誕生以来、一度もフィンランド人ドライバーが勝てなかったシーズンは最近まで1995年だけだったが、2019年と2020年にはついに2年連続してフィンランド人は勝利から見放されており、今年のサファリ・ラリーを終えた時点でフランスが199勝、フィンランドは179勝となっていた。
オジエが今季をもってWRCのフル参戦にピリオドを打つことを表明しているだけに、フィンランドが勝利数でフランスを逆転するのはそう遠くない日かもしれない。