WRC2020/02/24

ブリーン、不満はあるが現実的になる必要があった

(c)Hyundai

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 クレイグ・ブリーンは、ラリー・スウェーデンにおける自身のパフォーマンスには決して満足したわけではないが、現実的になる必要があったと述べ、今後、ふたたびヒュンダイ・モータースポーツからWRカーで参戦できるチャンスを待ち続けたいと語った。

 ブリーンは、2019年にヒュンダイ・モータースポーツから2戦に出場したが、今季はオイット・タナクの加入によって当初はチームのラインナップから外れていた。しかし、チームはセバスチャン・ローブの代わりにスウェーデンでのブリーンの起用を決定、これはブリーンが良好なスタートポジションを利用できるためだと説明していた。

 雪と氷がない異常なコンディションとなったスウェーデンでは期待したほどに走行ポジションは有利に働かず、けっきょく彼は7位でラリーを終えることになった。

「僕たちはチームの二人をサポートするためにここに来ており、優先するべきは、マシンを無事にゴールさせることだったので、その仕事を完全に果たすことはできたと思う。しかし、ポディウムや優勝をめぐる争いに絡めなかったことは満足していない」とブリーンは語った。

「ラリーでいい結果を出すためには土曜日以降、いいポジションでラリーをスタートすることがここでは定石となる。そのためにも金曜日を上位の順位で終える必要があるが、それを維持するためには最初から状況に迅速に対応しなければならない。残念なことに、金曜日の早い時間に少し時間を失ってしまったのを挽回する機会はなく、土曜日はコースオープナーの近くで走らなければならなかった」

 スウェーデンのコンディションが悪かったことは誰にとっても同じだが、ブリーンにとっては昨年10月のラリーGB以来、およそ4カ月ぶりにヒュンダイi20クーペWRCのステアリングを握ったことも災いした。彼はすぐにペースをつかむことができなかったが、そこで無理して大胆に攻めるにはあまりにも難しいラリーだったとふり返った。

「トップのドライバーにもう少し近づいたかったことはたしかだが、昨年GBからこのマシンに座っていなかったので、スピードには満足しなければならなかった。(土曜日以降)僕の前はティエリーだったので、ペースを合わせなければならないし、現実的にならなければならなかった。ふたたびWRカーに戻りたいし、今後のためにも自分を印象づける走りを見せたかったけど、思い切った走りをするにはあまりにもコンディションが悪すぎたよ」

 ブリーンがWRCで次の参戦はいつになるのか不明だが、彼はMRFタイヤのヨーロッパ進出を助けるためにヒュンダイi20 R5で今季のヨーロッパ選手権に参戦することになっており、ヒュンダイ・モータースポーツに対してアピールする機会を残している。

 ブリーンとチームMRFタイヤの参戦プログラムは、3月26日から28日にかけて開催されるERC開幕戦ラリー・アソーレスから始まるが、その前に、2月28日から29日まで行われるフィンランド選手権第3戦のイタ・ラリーでチームでの初戦を走ることになっている。