WORLDWIDE2021/05/11

ブリーン、亡き友にトロフィーを捧げる

(c)Craig Breen

 クレイグ・ブリーンは、わずか2.4秒差でタルガ・フローリオの勝利を逃したことを惜しむとともに、いまは亡き友人であるギャレス・ロバーツの石碑のまえにトロフィーを置いて次こそ勝利を飾ることを誓ってきたと明かしている。

 ブリーンは2012年のタルガ・フローリオでアクシデントに見舞われており、コドライバーのロバーツが悲劇的な死を遂げている。あれから9年が過ぎ、ブリーンは初めてシチリア島に戻り、先週末のタルガ・フローリオで勝って苦い思い出にさよならしたいと語っていたが、惜しくもトラブルのために総合2位に終わっている。

 ブリーンは、ラリーを失ったことを悔やんだが、この地に戻ることができたことに感謝を述べるとともに、亡き友人に次こそ勝利することを誓っていた。

「トライしたんだ。最後までトライしたけれど、残念ながら僕の手に負えない理由のために勝利は最後の瞬間に僕の手から滑り落ちてしまった」とブリーンは自身のソーシャルネットワークにおいて語った。

「最後のサービスの後、最初のスペシャルステージで技術的な問題が発生し、致命的なロスをしてしまったために3秒届かなかった。最終ステージのためになんとか修理できたが、足りなかったよ。痛い、本当に痛いよ。運命が9年前にその道を選んだのと同じように、昨日もその道がステージに選ばれていたんだ」

 ブリーンはこの週末、ベルギー出身のルイ・ルーカとの初めてのコンビでタルガに出場している。レギュラーコドライバーのポール・ネーグルは、COVIDに関連するアイルランドでの制限を受けて欠場を余儀なくされたためだ。

「スポーツの観点からは、タルガ・フローリオへの参戦を実現してくれたチームと関係者の皆さんに感謝したい。そして、非常に困難な状況で素晴らしい仕事をしてくれたコドライバーのルイに感謝しなければならない。そして個人的には、この1週間に何百通ものメッセージを送ってくれたファンの皆さんに感謝している。人生で最も感情的な1週間を支えてくれた家族や友人にも感謝している」

 ブリーンは2位でフィニッシュした翌日、9年前の事故の現場を訪れ、ロバーツの石碑の前でシャンペンを抜き、トロフィーを捧げている。

「今朝、シチリアを離れる前に、僕はジャッファ(=ギャレス・ロバーツ)のところに戻ってお祝いをした。トロフィーを置いてきたが、優勝トロフィーを置くスペースを確保しておいたので、また戻ってきたときには必ず勝利するつもりだ。イタリア、そしてシチリア、僕は愛しているよ」