WRC2021/05/07

ポルトガル、ファンの観戦を公式に承認

(c)Toyota

 5月20〜23日に開催される世界ラリー選手権第4戦のラリー・デ・ポルトガルは、8か月ぶりにステージでファンが観戦することを主催者が公式に認めたイベントになる。

 ポルトガルでのCOVID-19の感染者数は減少傾向にあり、4月最終週以降の新規感染者は1日平均で400人を切っている。ポルトガル保健大臣補佐のアントニオ・ラセルダ・セールスは水曜日、ポルトガル保健総局がラリー・デ・ポルトガルのファンの観戦を政府として承認したことを発表、主催者には観戦者にリスクを認識させ、観戦エリアでの人数を規制するためにあらゆる努力を払うべきであるとの考えを示した。

 世界ラリー選手権では昨年のラリー・エストニアが限定的な観客を認めての開催を成功させて以降は無観客の開催となってきた。先月行われたクロアチア・ラリーは公式的には無観客での開催のなか山岳地帯のステージではルートに沿って多数の観客の姿が確認されていたが、今月末のラリー・デ・ポルトガルで観客が許されるかどうかは不確実な状況だった。

 ラセルダ・セールス保健大臣補佐は、ラリー・デ・ポルトガルでの感染者が増えるリスクがいまだあるとしながらも、ポルトガル保健総局としてはそれらを避けるための措置を主催者が講じることによって開催にむけて前進できると説明した。

「ラリー・デ・ポルトガルは、確立されたブランドを持つスポーツイベントであるが、必然的に、健康を危険にさらし、イベントへの参加の禁止をしてもそれを破ることをいとわないかなりの数の観客が同行することになる。しかし、私が大きな信頼を寄せているポルトガルの保健機関、すなわち保健総局(DGS)はラリー開催に好意的な意見を述べてくれた。主催者は観戦者にリスクを認識させ、観戦する場所での人数を規制するために治安当局との協力のもとでできうる最大の努力を払うべきだ」

 ラリー・デ・ポルトガルは世界ラリー選手権のヨーロッパ・ラウンドでも観客が多いイベントだが、なかでも最終日にパワーステージが行われるファフェ・ステージは世界でもっとも観客が集まるステージの一つとして知られるが、このステージを含めて今年のイベント全体でどのような観客の人数規制が行われるのか、いまのところ明確にはなっていない。